遺伝子検査によって乳がん患者がdocetaxel治療に反応するか否かを予測することができる可能性がある [2003-08-26]
A genetic test may be able to predict whether women with breast cancer will respond to treatment with docetaxel
遺伝子発現プロファイルによって乳がん患者がdocetaxel治療に反応するか否かを予測することができる可能性がある、という報告がLancet 8月24日号に掲載された。米国の研究者らは乳がん24症例から得た検体の遺伝子発現を評価し、発現プロファイルとdocetaxelに対する反応の臨床情報を比較した。治療に感受性の高い腫瘍は細胞周期、蛋白輸送、そして蛋白修正に関与する遺伝子発現が多く認められ、一方、耐性の腫瘍細胞は転写やシグナル伝達に関与する遺伝子の発現が増強されていた。筆者らは大規模研究を行い、この結果が確認できれば、初期治療時の方針決定にこのような分子学的プロファイルを用いることが必要であると述べている。
 

Pemetrexedは再発性の非小細胞肺がんに対しdocetaxelと同様に有効であるが副作用は有意に少ない [2003-08-26]

Pemetrexed is as effective against recurrent non-small cell lung cancer as docetaxel but with significantly fewer side effects
Pemetrexedで治療された非小細胞肺がん患者の生存率はdocetaxelで治療された患者のそれと同様であるが副作用は有意に少ない、と第10回World Congress on Lung Cancerで発表された。Phase III国際臨床治験においてpemetrexed群患者の平均生存率は8.3ヵ月、docetaxel群患者のそれは7.9ヵ月であった。重症の好中球減少症(pemetrexed群で5%、docetaxel群で40%)、好中球減少による発熱および入院、そして薬剤性重症副作用の発症は二群間で統計学的に有意差が認められた。
腫瘍細胞内のある特異的な抗原の存在から小児期ピロサイティックアストロサイトーマの再発が予測できる [2003-08-19]
Presence of specific antigen in tumor cells predicts recurrence of childhood pilocytic astrocytoma
Ki-67と呼ばれる抗原の細胞内レベルが高いことから小児期ピロサイティックアストロサイトーマの再発が予測可能である、という報告がJournal of Clinical Oncology 8月号に掲載された。研究者らは患者118人の検体を免疫反応性抗体で染色し、抗原陽性細胞の割合を評価した。その結果、少なくとも2%の染色陽性細胞を有する患者は腫瘍の再発や再成長をきたす確率が高かった。研究者らは再発をできるだけ早く発見するよう現在抗原レベルをモニターしている。そしてこの小児脳腫瘍の約40%を占める疾患の原因となっている遺伝子についての理解を進める研究を引き続き行っている。
 

拡大内視鏡検査により大腸ポリープが成長する前にハイリスクな異形成部位を発見できる可能性がある [2003-08-19]

Magnification endoscopy may enable physicians to identify high-risk dysplastic lesions before development of colon polyps
大腸内の画像を70倍に拡大する拡大内視鏡検査により、ポリープが成長する数年前にハイリスクな異形成部位を発見でき、それにより生涯の大腸がんのハイリスクな者とリスクの低い者を医師らが見分ける能力が高まる。医師らはこの初期リスク評価は効果的な予防対策へとつながると期待している。この技術は、現在世界でも1ダース未満の施設で施行されているのみであるが、大腸内腔をメチレンブルーで染色し、Fujinon内視鏡を使用し光学およびデジタル拡大を組み合わせて検査するものである。
前立腺特異抗体に類似した新たに同定された蛋白は卵巣がんのバイオマーカーとなる可能性がある [2003-08-12]
Newly identified proteins similar to prostate-specific antigen show potential as biomarkers for ovarian cancer
前立腺特異抗体を含む酵素ファミリーの一種である今回新たに発見された蛋白は、卵巣がんのバイオマーカーとなる可能性があるとAmerican Association of Clinical Chemistry学会で発表された。進行卵巣がん患者の血清の研究をしているカナダの研究者らは、6つのカリクレインファミリーの上昇と腫瘍のグレード上昇および病期の進行とに関連があることを発見した。彼らはまた初期段階の卵巣がん患者に対する進行中の研究により、がんが拡散する以前に診断可能な感受性の高いスクリーニング試験を開発できるような血液レベルのパターンを発見したいと考えている。
 

前立腺特異抗体レベルを通常よりも高くする対立遺伝子が同定された [2003-08-12]

Allele identified that leads to normal values for prostate-specific antigen higher than those for other men
前立腺特異抗原レベルをコントロールする遺伝子のある対立遺伝子により抗体のベースラインレベルがそれを有さない者より約30%高く設定されている、という報告がJournal of the National Cancer Institute 7月16日号に掲載された。研究者らは、前立腺がんを有さない白人米国人男性405人(平均年齢63.7歳)を評価した。DNA解析により、一つの対立遺伝子として受け継がれると思われる遺伝子内の3つのsequence variationが発見された。ジェノタイプをフェノタイプと比較したところ、その対立遺伝子を有する者の抗体レベルが2.0 ng/mLであったのに対し有さない者においては1.5ng/mLであった。筆者らは他の人種における研究を勧めるとともに、前立腺がんのスクリーニングを進める際にどの程度ジェノタイプに重きを置くかを考慮するよう主張している。
イブプロフェンを定期的に内服することにより女性の乳がんのリスクを劇的に軽減することができる可能性がある [2003-08-05]
Regular ibuprofen use may dramatically reduce a woman’s risk for breast cancer
イブプロフェンを10年以上定期的に内服することにより女性が乳がんを発症するリスクを半分に軽減することができる可能性がある、とAmerican Association of Cancer Research 学会で発表された。研究者らは59〜70歳の閉経後女性約81,000人に関するWomen’s Health Initiativeのデータを解析した。4年間の追跡期間中に1,392人(1.7%)の患者に乳がんが発症した。イブプロフェンやアスピリンを定期的に(少なくとも週2回)内服している女性を、めったにまたは全く内服しない女性と比較したところ、イブプロフェンは乳がんのリスクを半減しアスピリンもそれよりは少ないが22%軽減することを発見した。他の非ステロイド系抗炎症薬がいくつかの他の種類のがんのリスクを軽減するとのデータを組み合わせると、これらの結果から慢性的なシクロオキシゲナーゼ2酵素活性の発がん性における重要性に焦点が当てられる。
 
扁平上皮皮膚がんの急速な増加は故意の日焼けの影響を示唆するパターンを示している [2003-08-05]
Rapid increase in incidence of squamous cell carcinoma shows pattern that suggests influence of intentional skin tanning
スウェーデンにおける扁平上皮皮膚がんの発症の増加は一部は故意の日焼けによるものである可能性がある、という報告がArchives of Dermatology 7月号に掲載された。1961〜1998年のデータを解析した結果、研究者らは年々、報告症例数特にin situの症例の莫大な増加を認めた。浸潤性のがんの中では、通常服に覆われている部分の発症の大きな増大が認められ、この結果から日焼けとがんの関係が示唆される。浸潤性またはin situのがんに対する家族性のリスクは同等であり、また日焼け部位あるいは覆われた部位における家族性のリスクも同等であった。
 


 

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