再発性多発性骨髄腫の患者の多くはサリドマイド治療に平均1年間反応する [2003-01-28]
Many patients with refractory multiple myeloma respond to thalidomide for a median duration of nearly one year
化学療法あるいは幹細胞移植が不成功に終わった進行性多発性骨髄腫患者の約3分の1は、平均1年近くサリドマイドの効果が持続する、という報告がMayo Clinic Proceedings 1月号に掲載された。今回の研究は再発性の本疾患患者32人を対象とした。従来の治療を受けた患者の生存期間は診断から平均3〜4年である。研究者らはサリドマイド、高用量の化学療法、および幹細胞移植を用いたさらなる研究が、これらの患者の生存期間をさらに延長させる可能性があるとして注目している。
 
遺伝性ヘモクロマトーシスの変異を有するものは有意に大腸がんのリスクが高い [2003-01-28]
People with the mutation for hereditary hemochromatosis are at significantly higher risk for colon cancer
遺伝性ヘモクロマトーシスの変異を有するものは有意に大腸がんのリスクが高い、という報告がJournal of the National Cancer Institute 1月15日号に掲載された。研究者らは大腸がんを有する、または有しない成人1,300人を評価した。DNAは2つの主な変異に関して解析された。さまざまな因子について調整した後、いずれかの変異が認められた者においては変異が見られないものと比較し大腸がんの発症する確率が40%高かった。筆者らは、がんのリスクとなる遺伝子マーカーを同定することにより、ハイリスクの人々を適切に監視できる可能性が高まる、と述べている。
小児期脳腫瘍の既往のある者は、後期発症内分泌疾患および心血管疾患のリスクが高い [2003-01-21]
Survivors of childhood brain tumors are at increased risk for late-onset endocrine and cardiovascular diseases
小児期脳腫瘍の既往のある者が長期生存した場合、重症の内分泌疾患および心血管疾患のリスクが高い、という報告がCANCERオンライン版1月17日号とプリント版2月号に掲載予定である。研究者らは小児期脳腫瘍の既往のある若年成人1,607人と無作為に選択された彼らの兄弟3,418人の内分泌疾患および心血管疾患の有害事象、ならびに疾患の状態と治療の相対リスク評価を行った。遅発性の合併症には甲状腺機能低下症、骨粗鬆症、遅発思春期、脳卒中、血栓塞栓症、および狭心症様症状などが含まれた。相対リスクは、手術、放射線療法、化学療法の三者を併用された者において最も高く、手術のみで治療された者において最も低かった。
 
アジアの食事に多く含まれるイソフラボンを含有するレッドクローバーのサプリメントは前立腺がん細胞の発育を抑制する [2003-01-21]
Red clover supplement containing isoflavones common in Asian diet inhibit growth of prostate cancer cells
早期前立腺がん患者にレッドクローバーから抽出された栄養補助食品トリノビン™を摂取させたところ、サプリメントを摂取していない者に比べ5倍以上の数のがん細胞が死滅した、という報告がCancer Epidemiology Biomarkers and Prevention12月号に掲載された。研究者らは前立腺がんが確認された患者20人に術前にサプリメントを投与し、投与前および術後データをコントロール18人と比較した。測定因子は血清中前立腺特異抗体、Gleason score、血清中テストステロン、がん細胞のアポトーシスの発生率、およびイソフラボン排泄量であった。Gleason grade 1、2、または3のがん病変におけるアポトーシスの発生率に5倍の明確な差が認められた。
イマチニブは新たに慢性骨髄性白血病と診断された患者に対しインターフェロンαおよびシタラビンの併用よりも有効である [2003-01-14]
Imatinib is superior to interferon-alfa and cytarabine as first-line therapy for newly diagnosed chronic myeloid leukemia
イマチニブは新たに慢性骨髄性白血病の慢性期と診断された患者に対しインターフェロンαおよびシタラビンの併用よりも有効である、という報告がAmerican Society of Hematology年次学会で報告された。IRIS (International Randomized Interferon versus STI571)スタディの対象患者1,106人はイマチニブ内服またはインターフェロンαおよびシタラビン注入療法群に無作為に割り付けられた。最後の患者群がphase III臨床試験に登録された18ヵ月後に解析された結果によると、イマチニブは血液学的完全寛解(97%対69%)、細胞遺伝学的効果(87%対35%)、細胞遺伝学的完全寛解(76%対14%)無増悪生存期間(92%対73%)などの臨床結果を改善した。
 
血管新生におけるId1遺伝子の発見によりId1遺伝子発現がんに対する新たな治療法が導入される可能性がある [2003-01-14]
Discovery of role of Id1 gene in angiogenesis may lead to new therapeutic targets for cancers with active Id1 expression
Id1遺伝子が血管新生を起こす分子をコントロールしているとの発見によりがんの治療の新たなターゲットが生まれる可能性がある、という報告がCancer Cell 12月17日号に掲載された。マウスを使用した遺伝子研究結果によると、Id1遺伝子が発現することによりトロンボスポンディン1と呼ばれる天然の血管新生抑制物質が抑制される。研究者らによれば、この遺伝子はメラノーマ、乳がん、頭頚部がん、脳腫瘍、頚部がん、前立腺がん、膵臓がん、精巣がんなど多くのがんにおいて発現している。今後、トロンボスポンディン1を感受性のある腫瘍内に運び込む分子と結合させるような研究が行われるかもしれない。
ビノレルビンとゲムシタビンの併用療法は進行非小細胞肺がんに有効である [2003-01-07]
Combination of vinorelbine and gemcitabine shows promise for advanced non-small cell lung cancer
進行非小細胞肺がんに対するビノレルビンとゲムシタビン併用療法は、有効かつ忍容性に優れカルボプラチンとパクリタキセルを用いた従来の標準的な治療法の代替療法となりうる、とChemotherapy Foundation Symposium on Innovative Therapy for Tomorrowにおいて発表された。研究者らはstage IIIBまたはIV期の患者164人をカルボプラチンおよびパクリタキセル併用群またはビノレルビン・ゲムシタビン併用療法群に無作為に割り付けた。両群とも最高で6周期の治療を行った。病期の平均進行時間または全体の生存率に両群間の統計学な有意差はなく、効果は同程度と考えられた。しかし、血液学的または非血液学的毒性はビノレルビン・ゲムシタビン併用療法群において少ないようであった。この新たな薬物併用療法はプラチナ製剤に耐えられない患者において特に有効である可能性がある。
 
ゲムシタビンとパクリタキセルの併用療法は切除不能な局所性再発性のまたは転移性乳がんに有効である [2003-01-07]
Combination of gemcitabine and paclitaxel may become new option for women with unresectable locally recurrent or metastatic breast cancer
切除不能な局所性再発性のまたは転移性乳がんに対する新たな治療法が近日中に広範囲に行われる可能性がある。Gemzar R(gemcitabine HCl)の製造業者はパクリタキセルと併用することによりゲムシタビンの適応を拡大しようとしている。今日ヨーロッパ当局で、また2003年には米国当局が提出を予定しているものは、進行乳がんに対するこの併用療法とパクリタキセル単独療法の効果を比較した現在進行中のPhase III臨床試験のデータから出した仮の解析結果をもとにしたものである。研究者らは、2003年5月に開催されるより大規模ながん学会でこの臨床試験の最終結果が発表されるのを期待している。
 


 

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