閉経後女性における喫煙は膀胱がんの重要な危険因子である [2002-11-26]
Cigarette smoking is an important risk factor for bladder cancer in postmenopausal women
閉経後女性における喫煙は膀胱がんの重要な危険因子であるとCANCER(11月15日からonlineで論文が入手可能)12月号に掲載された。米国の研究者らは37,459人の閉経後女性を13年間追跡調査した。そのうち膀胱がんが発症した112人の女性を発症の認められなかった女性と比較した。その結果、他の因子を調整したところ、喫煙が最も重要な危険因子であった。発症のリスクは本数×年数の数の増加とともに上昇し、禁煙からの年数が増えるとともに減少した。糖尿病および運動不足はともに有意な危険因子であった。
 
マウスに亜麻仁の種を多く摂取させることにより前立腺がんの成長を阻害し勢力を減退させると思われる [2002-11-26]
Diet rich in flaxseed seems to block growth and reduce aggressiveness of prostate cancers in mice
遺伝子操作により前立腺がんを発症させたマウスに亜麻仁の種を多く摂取させることにより、腫瘍のサイズを縮小させ勢力および重症度を軽減させた、という報告がUrology 11月号に掲載された。研究グループは以前に25人の前立腺がん患者に栄養補助食品を内服させるパイロット研究で有効性の結果を得ていた。その結果によると亜麻仁の種を補給する低脂肪食を摂取することによりテストステロンのレベルが低下し、前立腺に特異的な抗原レベルが低下する傾向にあることが確認された。低脂肪食、亜麻仁の種を補給する食餌療法、および両者併用食餌療法の前立腺がんに対する効果を調査する前向き臨床試験が、160人の男性前立腺がん患者を対象に現在進行中である。
抗男性ホルモン療法剤は進行例の一部では癌細胞の増殖を刺激しているかもしれない [2002-11-19]
Anti-androgen agents may stimulate prostate cancer cells in certain cases of advanced disease
ホルモン療法に抵抗し生き残った前立腺癌の細胞は、後になると抗男性ホルモン剤によって逆に刺激され増殖しているかもしれない、という報告がCancer Research11月号に掲載された。 病気の早期と後期で抗男性ホルモン療法が無効になった2 つの時点で癌細胞を比較したところ、後期の細胞では増殖に関係する酵素であるMAPキナーゼのレベルがはるかに高かった。詳細に検討したところ抗男性ホルモン剤であるフルタミド(hydroxyflutamide)がアンドロジェンレセプターを介さないメカニズムでMAPキナーゼを誘導していることが明らかになった。この知見が末期前立腺癌の薬剤療法の新しいターゲットの発見につながることを期待する、と著者らは述べている。
 
細菌の蛋白アズリンはマウスに植え付けたヒトメラノーマ細胞を臨床的な副作用なく死滅させる [2002-11-19]
Bacterial protein azurin can kill human melanoma cells in mice without causing clinically apparent adverse effects
細胞の代謝に重要な細菌である蛋白が副作用なくがん細胞を死滅させる、とProceedings of the National Academy of Sciences10月29日号に掲載された動物実験で報告された。特別に飼育された免疫不全のマウスにヒトメラノーマを植え付け、1日0.5mgのアズリンを22日間投与した。その結果、アズリンを投与されたマウスの腫瘍の大きさは投与されなかったものと比較して60%小さかった。アズリンを投与されたマウスで、具合が悪かったり体重減少を示したものはいなかった。さらにアズリンは核においてp53蛋白(腫瘍抑制物質)に結合しその濃度および活動性を上昇させることにより抗がん作用を高めることも示された。予備結果を確認するためのさらなる研究が計画されている。
多発性骨髄腫に対するサリドマイドとデキサメサゾンとの併用は静脈内投与による化学療法と同様に有効である [2002-11-12]
Combination thalidomide and dexamethasone is as effective for multiple myeloma as intravenous chemotherapy
初発の多発性骨髄腫に対するサリドマイドとデキサメサゾンの経口投与は静脈内投与による化学療法と同様に有効であり忍容性の点において優れている、という報告がJournal of Clinical Oncology11月号に掲載された。この結果は、初発でかつ活動性の高い多発性骨髄腫患者50人(年齢33〜78歳)を対象にした第U相臨床試験の結果をもとに報告されたものである。この二剤併用経口療法により50人の患者のうち32人(64%)において50%以上の腫瘍容積の縮小が認められた。奏効率は従来の静脈内投与による化学療法と同様かそれよりも良好であった。この併用療法とデキサメサゾン単独投与を比較するさらに大規模な前向き無作為化試験が現在進行中である。
 
直腸がんに対する術前放射線療法は全体の生存率を改善し対費用効果にも優れている [2002-11-12]
Preoperative radiation therapy is cost-effective and improves overall survival among patients with rectal cancer
直腸がんに対する術前放射線療法は全体の生存率を有意に改善し対費用効果にも優れている、という報告がInternational Journal of Radiation Oncology, Biology and Physics11月号に掲載された。研究者らはSwedish Rectal Cancer Trialに組み込まれた患者の中から無作為に98人を抽出し費用と臨床上の予後を解析した。術前に放射線照射を施行された患者は行われなかった患者と比較し平均で生存期間が21ヵ月長かった。手術のみを受けた患者と比較し余分にかかった医療費はたったの$5,188であった。筆者らは、術前放射線療法は確実な治療の選択法として考慮されるべきであると主張している。
現在米国では、ラジオ波熱凝固療法が骨転移による疼痛に対する治療の選択肢として考えられている [2002-11-05]
Radio-frequency ablation of pain due to bone metastases now a treatment option in the United States
ラジオ波熱凝固療法は骨転移による疼痛を軽減しQOLを向上させる、という報告がJournal Radiology 7月号に掲載された。国際研究チームは治療抵抗性の疼痛を有する患者43人を研究に組み込んだ。熱凝固療法後8週間の追跡調査の後、治療前に疼痛スコアで平均7.5であったものが(1から10までで10が最も強い疼痛)平均半分にまで軽減した。24週間の追跡調査ではスコアは1であった。さらに43人中41人において有意な疼痛の軽減を認め、QOLが向上したと報告した。これらの結果から、同療法は2つ以上の骨転移を有する患者の治療法として最近米国で承認された。
 
化学療法および放射線療法の同時併用によって喉頭がん患者の喉頭が保存される確率が高くなる [2002-11-05]
Concurrent chemotherapy and radiation therapy increases the odds that a laryngeal cancer patient’s larynx can be preserved
化学療法および放射線療法の同時併用によって喉頭がん患者の喉頭が保存される確率が高くなる、とAmerican Society for Therapeutic Radiology and Oncology年次学会で発表された。新たにstage IIIまたはIVの扁平上皮がんと診断された患者517人における無作為試験において、化学療法(シスプラチン)と放射線治療の同時併用療法は化学療法のみあるいは放射線療法のみよりも喉頭の保護または局所がんのコントロールの点で優れていた。予後についてのデータは治療2年後に評価された。
 


 
 

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