貧血はうっ血性心不全に関連した問題としてあまり認識されていないようであると、American Medical
Associationの貧血に関する要約報告で発表された。Kirkwood Adams博士は、心不全患者のデータを登録し、その結果、中等度の貧血であっても予後不良因子となり、エリスロポエチン療法などでヘモグロビンを上昇させることにより運動耐容能を改善する可能性があると述べた。心不全患者における貧血の研究や治療をさらに進めることは、長期にわたりβブロッカーを内服できない患者にとって特に価値のあるものとなりうる。
心筋梗塞後患者の多くは、彼らが心臓突然死のリスクが高いか否かを知らない、とNorth
American Society of Pacing and Electrophysiology学会で発表された。学会によって施行されたオンラインの調査によると、急性心筋梗塞患者の55%(146人中80人)が彼らの左室駆出率(突然死の主な危険因子)を知らなかった。また、自分自身の左室駆出率を知っている者のうちほぼ半数が、正常な左室駆出率が55%以上であるのに対して彼ら自身のそれは35%以下であると答えた。多くの患者が心室細動について理解し、ハイリスクな患者においてはさらなる検査および埋め込み型除細動器を挿入することの必要性を理解することにより、毎年有意に多くの患者の命が救われる可能性がある。
バソペプチダーゼ阻害薬と呼ばれる新系統薬剤の第一番目のものはアンジオテンシン変換酵素阻害薬より強力に降圧し、老化の一部として避けられないと思われていた動脈硬化に対しても一部の血管に関しては元に戻す効果がある、という報告がCirculation速報版に掲載された。Gary
F. Mitchell博士らは、中等度高血圧患者167人をエナラプリルあるいは治験薬オマパトリラットを12週間投与する二重盲検試験に組み込んだ。オマパトリラットは末梢脈圧を8.2mmHg低下させたが、アンジオテンシン変換阻害薬は4mmHgしか低下させなかった。大動脈脈圧に関しては、オマパトリラットが10.2mmHg低下させたのに対しアンジオテンシン変換酵素阻害薬は3.2mmHgしか低下させなかった。脈圧の低下には中枢性の動脈硬化減少作用があった。