◆うつ病の重症度が心疾患リスクを増大させる(American Heart Association's Scientific Sessions 2019, Poster presentation Sa3055)
うつ病の重症度が心疾患または脳卒中の発症率を上昇させる可能性がある、との予備研究の結果が American Heart Association's Scientific Sessions 2019で発表された。
うつ病の重症度と心血管疾患との強力な関連が認められた [2019-11-19]
Strong link found between level of severity of depression and cardiovascular disease
うつ病の重症度が心疾患または脳卒中の発症率を上昇させる可能性がある、との予備研究の結果が American Heart Association's Scientific Sessions 2019 で発表された。米国国民健康栄養調査(NHANES)において解答されたうつ病アンケートを用いて、うつ病と診断された成人11,000人超が同定された。そのうちの約1,200人が、心疾患または脳卒中の診断を受けている、と報告した。うつ病と非致死性心疾患および脳卒中との関連を定量化した解析によると、うつ病レベル(軽症、中等症、やや重症または重症) が上がる毎に、非致死性心疾患または脳卒中の確率が24% 上昇した。
女性のストレスに対する反応が心血管リスクを増大させる(American Heart Association's Scientific Sessions 2019, Oral presentation RF229)
心理的ストレスは心疾患を有する女性の重篤な心血管イベントリスクを増大させる可能性がある [2019-11-19]
Psychological stress may increase risk for a serious cardiovascular event in women with heart disease

心疾患を有する女性の心理的ストレスへの反応の仕方は心筋梗塞および他の心血管イベントリスクを増大させるが、これは男性には当てはまらないようである、と American Heart Association's Scientific Sessions 2019 で発表された。ストレス反応においてIL-6バイオマーカーが1単位上昇する毎に、女性における主要な心関連イベントは41% 上昇したが、このバイオマーカーの上昇によるリスク増大は男性においては認められなかった。ストレス反応においてMCP-1バイオマーカーが10単位上昇する毎に、女性においてのみ主要な心関連イベントが13% 上昇した。

週末の突然の心停止は死亡率が高い (American Heart Association's Scientific Sessions 2019, Resuscitation Science Symposium 2019, Abstract 128)
週末に心停止を来した患者は生存入院率が低い [2019-11-19]
People suffering cardiac arrest on the weekend are less likely to survive to hospital admission

週末に心停止を来した者は、これを平日に来した者に比べ生存入院率が低い、と American Heart Association's Resuscitation Science Symposium 2019 で発表された。英国の研究者らは、院外で突然の心停止を来し公共施設の自動体外式除細動器(AED)で処置された患者が、"生存して入院する"ことについて調査した。土曜日の午前1時から日曜日午後11時59分の間に心停止を来した者は、月曜日から金曜日までに心停止した者に比べ、生存率が20% 低かった。また、生存率は自宅で心停止を来した場合や患者が高齢である場合は低下した。

早期閉経は複数の心疾患リスクを増大させる可能性がある (American Heart Association's Scientific Sessions 2019, Poster Presentation MDP451)
早期閉経歴を有する女性に対し医師は推定される将来的な心疾患リスクを精査すべきである [2019-11-19]
History of premature menopause should prompt physicians to refine the patient's estimated future risks for heart disease

40歳前に閉経した女性は複数の心疾患リスクが高い、と American Heart Association's Scientific Sessions 2019 のポスターセッションで発表された。平均7年間の追跡期間中、早期閉経を来した女性は、従来のリスクファクターを考慮しても、冠動脈疾患、心不全、大動脈弁肥厚および狭窄、心房細動、さらに深部静脈血栓症のリスクが有意に高かった。心疾患リスクは、自然閉経よりも手術により閉経した女性で高かった。このリスクの差の一部は、心血管疾患リスクファクターの違いで説明できる可能性がある。

大麻は若年者の脳卒中と関連がある (American Heart Association's Scientific Sessions 2019, Oral presentation 333)
大麻を頻回に使用する若年者は非使用者に比べ脳卒中リスクが有意に高い [2019-11-19]
Young people who use cannabis frequently had significantly higher risk of stroke than non-users

若年者における大麻の頻回使用は脳卒中リスクの増大と関連する、と American Heart Association's Scientific Sessions 2019 で発表され、American Stroke Association の Stroke に掲載された。大麻を頻回に使用し、タバコまたは電子タバコも吸う若年者は、大麻の非使用者に比べ、脳卒中発症率が3倍であった。またスタディの結果、タバコは吸わないが1か月に11日以上大麻を使用すると報告した大麻使用者は、非使用者に比べ、脳卒中発症率が2.5倍であることも示した。

心疾患とがんリスクは関連する可能性がある(American Heart Association's Scientific Sessions 2019, Poster presentation Mo3058)
10年間の心血管疾患リスクが高いと、がん発症リスクは3倍に増大する [2019-11-19]
A high 10-year cardiovascular disease risk score triples the risk of developing cancer

心筋梗塞既往者は心血管疾患を有さない者に比べがん発症リスクが高い可能性がある、と American Heart Association's Scientific Sessions 2019 で発表された。10年動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)リスクが20% 以上の者は、ASCVD リスクが5% 以下の者に比べ、何らかのがんを発症するリスクが3倍以上であった。BNP が高い者は、BNP が低い者に比べ、15年間の追跡期間中にがんを発症する確率が高かった。今回のスタディは、ベースライン時のBNP上昇が将来のがんリスクと関連があることを示した初めてのものである。

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