◆PTSDを有する若年成人は中年期の脳卒中リスクが高い
心的外傷後ストレス障害(PTSD)に罹患した若年成人は中年期までに一過性脳虚血発作(TIA)または重症脳卒中イベントを発現する可能性が高く、よく知られたリスクファクター以上にリスクを上昇させる。
スタディの結果、若年成人期の外傷後ストレス障害と中年期の脳卒中リスクとの関連が示された [2019-10-29]
Study demonstrates link between trauma-induced stress disorders and risk of stroke in young and middle-age adults
心的外傷後ストレス障害(PTSD)に罹患した若年成人は中年期までに一過性脳虚血発作(TIA)または重症脳卒中イベントを発現する可能性が高く、よく知られたリスクファクター以上にリスクを上昇させる、と Stroke に掲載された。イラクやアフガニスタンに従軍していた米国の退役軍人は、TIA 発症率が2倍高く、脳卒中発症率が62% 高かった。複数の脳卒中リスクファクター、併存する精神疾患、および薬物やアルコールの乱用で補正後、PTSD を有する退役軍人はPTSD を有さない退役軍人に比べ、TIA および脳卒中発症率がそれぞれ61% および36% 高かった。
飲酒の頻度が少ないことは心房細動のリスクを低下させるようである
頻繁な飲酒はむちゃ飲みよりも心房細動の強力なリスクファクターである [2019-10-29]
Frequent drinking is greater risk factor for atrial fibrillation than binge drinking

頻繁な少量飲酒は、むちゃ飲みよりも心房細動の発症率を上昇させるようである、と EP Europace に掲載された。週当たりの飲酒の回数は、年齢や性別に関係なく新規発症心房細動の最強のリスクファクターであった。週2回の飲酒(対照群)と比較し、毎日の飲酒はリスクが最大(ハザード比[HR]1.42)であり、週1回の飲酒はリスクが最小(HR0.933)であった。少量飲酒者と比較し、飲酒をしない者、中等度の飲酒者、または大量飲酒者のリスクはそれぞれ、8.6%、7.7%、および21.5% 上昇した。むちゃ飲みは新規発症心房細動とは明らかな相関を示さなかった。

就寝時は降圧薬を内服する最良の時間帯である
就寝時に降圧薬を内服することで朝内服するよりも心疾患リスクが低下する [2019-10-29]
Taking hypertension medications at bedtime reduces risk of heart disease more than morning medication

全ての降圧薬を就寝時に内服する高血圧患者は、朝に内服する患者に比べ、血圧コントロールが良好であり、死亡リスクや心血管疾患により引き起こされる病気のリスクが低い、と European Heart Journal に掲載された。Hygia Chronotherapy 試験の参加者のうち、就寝時に内服した者は心筋梗塞(MI)およびこれによる死亡、脳卒中、心不全または冠動脈血行再建リスクが45% 低下した。個々のアウトカムをみてみると、心血管死リスクは66% 、MI リスクは44%、冠動脈血行再建リスクは40%、心不全リスクは42%、脳卒中リスクは49%、それぞれ低下した。

スマートフォンアプリは服薬コンプライアンスを改善する
心筋梗塞後の治療アドヒアランスはスマートフォンアプリケーションを用いることで向上する [2019-10-29]
Adherence to treatment after a myocardial infarction increases with use of a smartphone application

スマートフォンのリマインダーアプリを使用する心疾患患者は、文書による指示を受け取った患者に比べ内服率が高い、と45th Argentine Congress of Cardiology で発表された。90人の心筋梗塞後患者(平均年齢63歳、男性75%)が、アプリまたは詳細な文書(標準的な方法)を用いた服薬リマインダー群にランダムに割り付けられた。90日後、正確に内服している患者の割合は、標準的な方法群(21%)に比べ、デジタルアプリ群(65%)において有意に多かった(p<0.001)。アプリ群はまた、各薬剤がなぜ処方されているかについての知識もより多く得ていた。

小児白血病既往者の認知面の健康改善
運動耐容能は小児白血病既往者の認知面の健康に影響する可能性がある [2019-10-29]
Exercise capacity may affect cognitive health of survivors of childhood leukemia

急性リンパ芽球性白血病既往者における運動耐容能低下と神経認知的問題との関連が CANCER 早期オンライン版に掲載された。コントロールに比べ、既往者は心肺持久力が低く、注意力、記憶力、および学力などの神経心理学的検査の結果が不良であった。年齢、性別、放射線治療および化学療法、喫煙の有無、そして身体活動で補正後、運動耐容能の向上は、既往者の様々な神経心理学的検査の結果が良好であることと関連していた。1日30分のウォーキングなどの運動耐容能の小さな改善が、白血病既往者の知的健康度に顕著な影響を及ぼし得る、と筆者らは述べている。

がん疼痛は不安や抑うつが軽いことで予測できる
スタディの結果、がん疼痛に対処する時は心理症状を早期に評価する必要性が強調された [2019-10-29]
Study emphasizes need to evaluate psychological symptoms early when addressing cancer pain

重度の不安や抑うつを訴えるがん患者は、がんによる疼痛をより強く感じる、と2019 Supportive Care in Oncology Symposium で発表された。人種、低所得、腫瘍部位、および進行がんなどの患者特性は、疼痛強度の予測因子であった。さらに、不安、抑うつ、およびソーシャルサポートは疼痛強度に影響する有意な因子であった;これらの関連は患者特性で補正しても、依然として認められた。診断1年後に苦痛のスクリーニングを行った結果、不安や抑うつの疼痛に対する影響は、受けているソーシャルサポートのレベルにより差があった。

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