◆ホルモン療法は認知機能改善と関連がある
Menopause オンライン版に掲載された研究の結果、ホルモン療法による長期の生殖補助医療による認知面の有益性が示唆された。
エストロゲン曝露期間の延長および長期ホルモン療法の認知機能低下治療における恩恵 [2019-10-23]
Benefits of extended estrogen exposure and longer-term hormone therapy in treating cognitive decline
Menopause オンライン版に掲載された研究の結果、ホルモン療法による長期の生殖補助医療による認知面の有益性が示唆された。研究者らは閉経後女性2,000人超を12年間追跡し、エストロゲンと認知機能低下との関連を調査した。エストロゲン曝露期間が長いことは、認知機能状態が良好であることと関連があった。さらに、これらの有益な効果は、参加者の中で特に最高齢の女性群において、ホルモン療法を用いることにより拡大された。ホルモン療法を早くに開始した女性ほど、ホルモン療法開始が遅かった女性に比べ、認知機能検査の点数が高く、ホルモン療法に重要な意味をもつ期間についての仮説を支持している。
認知症における攻撃性の治療には非薬物療法の方が優れている
認知症における攻撃性および興奮は薬物を用いることなく良好に治療できる [2019-10-23]
Aggressive and agitated behaviors in dementia are better treated without medications

認知症患者の攻撃性や興奮を軽減するために、マッサージやタッチ療法などの非薬物療法は薬物療法よりも有効なようである、との系統的レビューおよびメタ解析の結果が Annals of Internal Medicine に掲載された。5つの評価項目において、集学的治療、マッサージおよびタッチ療法、音楽療法、音楽とマッサージおよびタッチ療法の併用、および認知刺激療法は、薬物療法に比べ臨床的に有効であった。サブグループ解析において、一部の薬物療法(デキストロメトルファン‐キニジンおよび大麻類)はプラセボまたは通常治療よりも有効であったが、一部の薬物療法の有害性は知られていることから、非薬物療法が優先されるべきである、と筆者らは述べている。

積極的な血圧コントロールは脳にも有益である
より積極的な高血圧コントロールは高齢者の大脳白質病変を減少させる可能性がある [2019-10-23]
More aggressive hypertension control likely to reduce white matter lesions in the brains of older adults

高齢者の日々の血圧をより積極的にコントロールすることにより脳の健康が改善する可能性がある、と Circulation に掲載された。3年後、大脳白質病変の増加は、積極的な血圧コントロール治療を受けた患者において、標準治療を受けた患者に比べ、最大40% 少なかった。積極的治療を受けた患者はまた、心筋梗塞、脳卒中および心不全による入院などの心血管イベント発生率が低かった。収縮期血圧を130 mmHg未満に維持することは安全であり、高齢高血圧患者に対するより合理的で有益な治療目標となる可能性がある、と筆者らは結論付けている。

スタチン系薬剤が筋肉痛を引き起こす原因
スタチン系薬剤が、一部の患者に筋肉痛を引き起こす原因を説明できるメカニズムが発見された [2019-10-23]
Potential mechanism found that explains why statins cause muscle pain in some patients

コレステロール低下薬である、スタチン製剤内服患者の一部が筋肉痛を発症する原因を説明できるメカニズムが発見された。スタチンは筋細胞内に侵入し酸化ストレスを引き起こし、その結果筋肉がこのストレスを除去しようとして抗酸化物質産生を増加させる。副作用であるこの抗酸化物質産生は、スタチンに曝露されない筋肉よりもかなり高レベルのグルタミン酸と呼ばれるアミノ酸の放出であった。グルタミン酸が筋肉痛受容体の活性化物質である可能性があるため、これの放出が筋肉痛を感じさせる引き金として提示された。研究者らはまた、抗酸化物質としてよく知られるビタミンEなどを投与することが、グルタミン酸放出を減少させるのに役立つことを明らかにした。

高圧室内の酸素は放射線療法後の緩和をもたらす
高気圧酸素治療は遅発性の放射線性膀胱炎の自己申告による症状を軽減する [2019-10-23]
Hyperbaric oxygen therapy relieves self-reported symptoms of late radiation cystitis

高気圧酸素治療(HBOT)は、骨盤領域のがんに対する放射線療法の自己申告による症状および副作用を緩和する可能性がある、と Lancet Oncology に掲載された。これは、高気圧酸素治療と標準治療とを比較した、初めてのランダム化コントロールスタディである。高気圧酸素治療を30〜40回行った結果、多くの患者は出血、失禁、および疼痛が軽減した。高気圧酸素治療群において、3人に2人が回復したと感じ、一部の症例では全ての症状が消失した。コントロール群を含む他の患者においては、大きな変化は認めなかった。

高リスク神経芽腫の予後改善
モノクローナル抗体治療と導入化学療法の併用は高リスク神経芽腫の予後改善において有望である [2019-10-23]
Monoclonal antibody treatment combined with induction chemotherapy yields promising outcomes in high-risk neuroblastoma

治験薬抗GD2 モノクローナル抗体と導入化学療法の併用は、新たに高リスク神経芽腫と診断された小児患者の2年無イベント生存率において有望である、との第II相試験の結果が Clinical Cancer Research に掲載された。研究者らは、dinutuximab と同じエピトープに結合するがアレルギー反応を軽減するようにヒト化され、疼痛を軽減するように修正され、抗体依存性細胞介在性傷害が増強した抗GD2抗体、hu14.18K322A を用いた。2年無イベント率はhu14.18K322A 群で85.7% であったのに対し、導入化学療法中に抗GD2 抗体を投与されなかった従来通りのコントロール群では50% であった。

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