◆ホルモン療法は化学療法よりもQOLを悪化させる
一般的に考えられているのとは逆に、乳がんに対するホルモン療法は化学療法よりも広範かつ長期にわたりQOLを悪化させる。
女性のQOLに対しホルモン療法は化学療法よりも大きな影響を及ぼす [2019-10-15]
Hormone therapy has bigger impact than chemotherapy on women's quality of life
一般的に考えられているのとは逆に、乳がんに対するホルモン療法は化学療法よりも広範かつ長期にわたりQOL を悪化させる、とのCANTO コホートの解析結果が Annals of Oncology に掲載された。調査対象全体において、診断から2年後のQOL は全体的に低下していた。この低下度は、特に閉経後にホルモン療法を受けた患者において大であった。対照的に、化学療法は閉経前女性において、特に認知機能悪化に関して、QOL に大きな影響を及ぼした。
運動は化学療法による心毒性を軽減する
運動をするがん患者は化学療法による心血管系へのダメージが少ない [2019-10-15]
Cancer patients who exercise have less cardiovascular damage from chemotherapy

がん患者は心臓を保護するために個別の運動処方を受けるべきである、との論文が European Journal of Preventive Cardiology に掲載された。この研究は、病歴、がん治療、運動の奏効度、さらに好みを考慮に入れた、個々の患者に対する個別の運動計画の重要性を強調している。心血管系の機能を改善し炎症を軽減するには持久力トレーニングが有効であるが、虚弱ながん患者には筋力トレーニングから始めるのがより良いだろう、と筆者らは述べている。がん治療の心血管系に対する悪影響を軽減することに加え、運動は嘔気や倦怠感などの症状を緩和し、望ましくない体重変化の予防にも役立つ。

早期閉経は心疾患の予測因子である
早期閉経は非致死性心血管イベントリスクを上昇させる [2019-10-15]
Early menopause puts women at greater risk of a non-fatal cardiovascular event

閉経が50歳未満の女性は心血管疾患リスクが高い、と Lancet Public Health に掲載された。40歳未満に早期閉経した女性は、閉経が50〜51歳であった女性に比べ、心筋梗塞、狭心症または脳卒中などの非致死性心血管イベントを60歳未満で発症する確率が2倍近く高かった。閉経が40〜44歳であった女性は、心血管疾患に罹患する確率が40% 高かった。早期閉経の女性を同定することは、早期診断しリスクファクターを積極的に管理することに役立つ可能性がある。

歯を失うことは心疾患リスク増加に関連する
非外傷性の原因で歯を1本以上失った成人は心筋梗塞および脳卒中を発症しやすい [2019-10-15]
Adults missing one or more teeth from nontraumatic events are more prone to myocardial infarction and stroke

非外傷性の原因で歯を1本以上失った成人は心血管疾患を発症するリスクが高い、とAmerican College of Cardiology Middle East Conference 2019、10th Emirates Cardiac Society Congress 2019 共同学会で発表された。心血管疾患を発症したスタディ参加者の28% は全歯欠損であり、それに比べ歯を失っていない者の心血管疾患の発症は、わずか7% であった。さらに、全歯欠損ではないが1本以上欠損した歯のある者は、他のリスクファクターで補正してもなお、心血管疾患発症率が高かった。

記憶および感情に関連する脳領域の発達のタイミング
精神疾患発症に関して脳の発達における性別の違いによる影響 [2019-10-15]
Impact of gender-based differences in brain development on emergence of mental health disorders

海馬および扁桃体発達における性別の違いが明らかにされ、これにより性別が異なって影響するいくつかの精神疾患の生物学が説明できる可能性がある、と NeuroImage に掲載された。研究者らは、発達における最も顕著な男女差は、扁桃体の正中中心核群および海馬内のCA1 やCA2 の吻側-尾側端部−感情処理に最も重要と考えられる脳部位−にあることを明らかにした。扁桃体容積は若年小児期には男女とも同じ割合で発達するが、女性は13歳頃に増加が最も急激に低下するのに対し、男性ではそれが20歳後半であった。男性は女性に比べ、海馬容積が10代後半により速く増加した。

抗精神病薬を内服する人々は累積在院日数が長い
アルツハイマー病患者において抗精神病薬は累積在院日数の長さと関連がある [2019-10-15]
Antipsychotics linked to accumulation of hospital days in persons with Alzheimer's disease

抗精神病薬を使用するアルツハイマー病患者は、それを使用しないアルツハイマー病患者に比べ、累積在院日数が長い、と Journal of American Medical Directors Association に掲載された。2年間の追跡期間中、抗精神病薬内服を開始した患者は1人当たりの1年間在院日数が約11日長かった。在院日数の増加は認知症、精神および行動障害、呼吸器系や泌尿生殖器系疾患、心血管系疾患、さらに倦怠感などの多様な症状が原因であった。さらに、抗精神病薬を開始した患者は介護者の休暇による在院日数がより多かった。

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