新たなデータは若年乳がん患者における術後補助療法のガイドとなる(2019 ASCO Annual Meeting, Abstract 503)
若年女性の乳がん再発リスクを、典型的な臨床像(腫瘍サイズおよび組織学的グレード分類)に基づき評価することにより、21-遺伝子アッセイによる再発スコア(RS)に補完的な予後情報が追加される、と2019 ASCO Annual Meeting で発表され、New England Journal of Medicine に掲載された。
TAILORx:閉経前女性の乳がん再発予防目的の術後補助療法に関する新たな情報 [2019-06-18]
TAILORx: New information about adjuvant therapy to prevent recurrence of breast cancer in premenopausal women
若年女性の乳がん再発リスクを、典型的な臨床像(腫瘍サイズおよび組織学的グレード分類)に基づき評価することにより、21-遺伝子アッセイによる再発スコア(RS)に補完的な予後情報が追加される、と2019 ASCO Annual Meeting で発表され、New England Journal of Medicine に掲載された。TAILORx試験の研究者らは、RSの結果が16〜20で50歳以下の女性は臨床的にリスクが低く化学療法の必要性がない、と述べている。このことはまた、より効果的な抗エストロゲン療法でベネフィットを得られる若年女性を同定するのにも役立つ可能性がある。
ビタミンDはがん関連死を減少させる(2019 ASCO Annual Meeting, Abstract 1534)
ビタミンDを3年以上摂取することは、がん患者に延命効果をもたらす可能性がある [2019-06-18]
Vitamin D taken three years or more could help cancer patients live longer

ビタミンDは単に骨の健康に寄与するだけでなく、重要なベネフィットをもたらすようである、と2019 ASCO Annual Meeting で発表された。少なくとも3年間摂取することで、ビタミンDはがん患者の生存期間を延長するのに役立つことが、試験の結果示された。研究者らは、79,000人超(平均年齢68.07歳、女性78.02%)の疾患予防に関するデータを調査した。ビタミンDはプラセボに比べ、がん関連死を有意に減少させた(p=0.05)。ビタミンDはプラセボに比べ、がん罹患率の有意な減少とは関連がなかった(p=0.46)。

リンパ腫の特定の亜型を有する患者は化学療法を回避することができる可能性がある(2019 ASCO Annual Meeting, Abstract 7508)
Smart Start:リンパ腫の試験により、化学療法前の分子標的薬併用療法は有効であることが示された [2019-06-18]
Smart Start: Lymphoma trial finds combination targeted therapy effective prior to chemotherapy

化学療法を用いないリツキシマブ、イブルチニブ、およびレナリドミドの併用療法は、新たに診断されたnon-germinal (non-GCB) 型びまん性大細胞型リンパ腫(DLBCL)患者において非常に効果的である、と2019 ASCO Annual Meeting で発表された。第II相Smart Start 試験の結果、新たに診断されたnon-GCB DLBCL患者に対し、全ての化学療法の前にこの分子標的薬併用療法を施行した場合、全奏効率は84.6% であり、完全完解は38.5% であることが示された。本試験対象患者の90% 超は、1年後も寛解を保ったままであった。副作用は軽度であり、多くが化学療法によるものであった。

乳房部分照射によりQOLが向上する(2019 ASCO Annual Meeting, Abstract 508)
化学療法なしで乳房部分照射を施行された患者は、倦怠感は弱く、整容性はわずかに劣る [2019-06-18]
Patients who received partial breast irradiation without chemotherapy experienced less fatigue, slightly poorer cosmesis

患者報告アウトカムから、術後補助化学療法を受けない乳がん患者に対する乳房部分照射(PBI)は、全乳房照射(WBI)に比べ利便性が高いことが示された。PBI 群の参加者はまた、治療後36か月の時点で、倦怠感は弱く整容性はわずかに劣っていたが、整容性に関しては化学療法とPBI またはWBI を受けた患者で同等であった。両群において、PBI 患者の方が治療終了時点での痛みが少なく、治療関連症状はWBIの方が不良であった。これらの結果は2019 ASCO Annual Meeting で発表された。

チェックポイント阻害薬は肺がん再発を減少させるのに有望である(2019 ASCO Annual Meeting, Abstract 8504)
NEOSTAR:早期肺がんに対する術前のチェックポイント阻害薬の併用は有効である [2019-06-18]
NEOSTAR: Combination checkpoint blockade effective in pre-surgical setting for early-stage lung cancer

免疫チェックポイント阻害薬を用いた術前補助療法による病理学的奏効率(MPR)は、治療された早期切除可能非小細胞肺がん患者において33% であった、と2019 ASCO Annual Meeting で発表された。第II相NEOSTAR 試験において、術前にニボルマブ(抗PD-1抗体)およびイピリムマブ(抗CTLA-4抗体)の併用療法を施行された患者21人中7人がMPR を達成したのに対し、ニボルマブ単独療法でMPR を達成したのは23人中4人であった。これら2群を比較するには検出力は不足しているが、併用療法は手術時点でviable な腫瘍を減少させるのにより有効と思われた。

HIV患者に対する免疫療法薬は安全であることが示された(2019 ASCO Annual Meeting, Abstract 2500)
抗PD-1抗体治療は良好にコントロールされているHIV患者のがん治療に適切である [2019-06-18]
Anti-PD-1 therapy is appropriate for cancer patients with well-controlled HIV

HIVに感染し様々な致命的がんの1つを有する患者は、免疫療法薬ペムブロリズマブを用いて安全に治療することができる、と2019 ASCO Annual Meeting で発表され、同時にJAMA Oncology に掲載された。患者30人を対象としたこの試験では、抗PD-1抗体治療薬ペムブロリズマブのみを調査した。治療されたがんは肺がん、カポジ肉腫、非ホジキンリンパ腫、肝臓がん、肛門がんおよび進行扁平上皮がんであった。有害事象プロファイルは、HIV患者を除いた過去のスタディと実質的な差はなかった。この結果はT細胞表面のPD-1 またはPD-L1 受容体をブロックする5つの類似薬にも適用できると思われる。

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