◆閉経前進行乳がんにおける生存率の改善(2019 ASCO Annual Meeting, Abstract LBA1008)
HR陽性/HER2陰性進行乳がんを有する閉経前女性に対し、ribociclibを標準治療であるホルモン療法に併用することで、ホルモン単独療法に比べ全生存率の顕著な改善がみられた、と2019 ASCO Annual Meeting で発表された。
MONALEESA-7:ホルモン療法にribociclibを併用することで閉経前進行乳がんにおける生存率が改善する [2019-06-04]
MONALEESA-7: Adding ribociclib to endocrine therapy improves survival in premenopausal advanced breast cancer
HR陽性/HER2陰性進行乳がんを有する閉経前女性に対し、ribociclib を標準治療であるホルモン療法に併用することで、ホルモン単独療法に比べ全生存率の顕著な改善がみられた、と2019 ASCO Annual Meeting で発表された。国際共同ランダム化第III相試験 MONALEESA-7 は、42か月後の生存率が併用療法を受けた女性で70% であり、ホルモン単独療法を受けた女性では46% であったことを明らかにした。これは、相対死亡リスクが29% 低下したことを示している。Ribociclib 投与群女性における増悪なしの期間中央値は23.8か月であり、プラセボ群においては13か月であった。
新たに診断された進行胃がんに対する有望な代替手段(2019 ASCO Annual Meeting, Abstract LBA4007)
KEYNOTE-062:ペンブロリズマブは進行胃がんおよび胃食道接合部腺がんに対する化学療法に匹敵する [2019-06-04]
KEYNOTE-062: Pembrolizumab comparable to chemotherapy for advanced gastroesophageal junction and gastric cancers

PD-L1 陽性、HER2 陰性の進行胃がんおよび胃食道接合部(G/GEJ)がんを有する患者に対し、ペンブロリズマブによる一次治療は標準化学療法に匹敵する生存率をもたらした、と2019 ASCO Annual Meeting で発表された。ランダム化第III相試験 KEYNOTE-062 はまた、PD-L1 高発現腫瘍を有する患者に対し、ペンブロリズマブの全生存率における臨床的に意味のある改善も示した。2年後、ペンブロリズマブを単剤投与された患者の39%(すべてPDL-1 高発現患者)は生存しており、標準化学療法を受けた患者では22% であった。重篤な副作用の発現率は、ペンブロリズマブを単剤投与された患者群で最も低かった。

レナリドミドは多発性骨髄腫の発症を遅延させる(2019 ASCO Annual Meeting, Abstract 8001)
レナリドミドは、前がん状態の骨髄腫が明らかな多発性骨髄腫に進展する高リスク患者におけるリスクを軽減する [2019-06-04]
Lenalidomide reduces risk that precancer myeloma will progress to overt multiple myeloma in high risk individuals

2019 ASCO Annual Meeting で発表されたランダム化第II/III相試験 E3A06 で、レナリドミドは中等度または高リスク患者におけるくすぶり型多発性骨髄腫(SMM)−前がん病態−が、がんに進展するのを有意に減少させることを明らかにした。一般的に、多発性骨髄腫においては臓器障害がみられ、これがSMMと鑑別する方法である。3年後、レナリドミドを投与されたSMM患者の87%(第II相)および91%(第III相)で病態が多発性骨髄腫に進展しなかったのに対し、この治療を受けず病態進展の可能性を経過観察のみで行った患者におけるこの割合は66% であった(第III相)。経過観察がこの疾患における現在の標準治療である。

小児プレシジョン・メディシンの試験は予測を超える(2019 ASCO Annual Meeting, Abstract 10011)
Pediatric MATCH:試験の結果、小児がんにおいて標的とされる遺伝子変異が予測を上回る高頻度で認められた [2019-06-04]
Pediatric MATCH: Trial finds more frequent targetable genetic alterations in pediatric cancers than predicted

2017年のPediatric Molecular Analysis for Therapy Choice (NCI-COG Pediatric MATCH) 試験の開始時点で、難治性がんを有する小児、青少年、および若年成人における腫瘍シーケンシングにより、試験対象の標的薬に適合する遺伝子変異が発見されるのは、スタディ参加者の10% であろうと推定された。スクリーニングされた患者400人超の中間解析の結果、適合率はそれよりもかなり高いようで、24% の患者が今回の試験対象となった薬剤の少なくとも1つを用いた治療に適合した。このスタディの最新情報が、2019 ASCO Annual Meeting で発表される。

一部の心不全患者において利尿剤離脱は安全である(Heart Failure 2019, LBCT II)
ReBIC-1:安定した心不全患者において利尿剤は安全に中止できる [2019-06-04]
ReBIC-1: Diuretics can be safely discontinued in patients with stable heart failure

安定した心不全患者に対する薬物療法は利尿剤を中止することにより簡便化できる、とのReBIC-1 試験のレイトブレイキングの結果がHeart Failure 2019 で発表された。計188人の心不全患者は、フロセミドを継続または中止群にランダムに割り付けられた。90日の追跡期間中の呼吸困難感に、群間差はなかった。また、中止群の72人(75.3%)および継続群の78人(83.9%)は、追跡期間中にフロセミドを再開されなかった(p=0.16)。

薬剤師と定期的に話すことで服薬アドヒアランスが向上する(Heart Failure 2019, LBCT II)
PHARM-CHF:心不全患者において、毎週薬局を訪れることは服薬アドヒアランスおよびQOLを向上させる [2019-06-04]
PHARM-CHF: Weekly pharmacy visits boost drug adherence and quality of life in heart failure patients

週1回薬剤師に会う高齢心不全患者は、薬を飲む傾向が強く日常生活が活動的になる、とのPHARM-CHF 試験のレイトブレイキングの結果がHeart Failure 2019 で発表された。この介入は薬歴聴取に始まり、その後8〜10日おきの薬局訪問と服薬アドヒアランスや症状についての話し合い、血圧や脈拍数の測定が行われた。薬局群患者は通常管理の患者に比べ、服薬アドヒアランス率が3倍高かった。1年後、QOL の改善は薬局群でより顕著であり、2年後には有意であった。

LDL コレステロール高値は早期発症アルツハイマー病と関連がある
早期発症アルツハイマー病とLDL コレステロール高値との関連が認められた [2019-06-04]
Connection found between early-onset Alzheimer's disease and high LDL cholesterol

LDL コレステロール高値と早期発症アルツハイマー病との関連が明らかにされた、とJAMA Neurology に掲載された。LDL コレステロール高値の参加者は、低値の参加者に比べ早期発症アルツハイマー病を有する率が高かった。これはAPOE 変異症例を考慮し補正しても認められ、問題のあるAPOE 遺伝子多様体の有無にかかわらず、コレステロールがアルツハイマー病の独立したリスクファクターであり得ることを意味している。HDL コレステロール高値と早期発症アルツハイマー病に関連は認められず、中性脂肪値とはわずかな関連が認められたのみであった。

孤独が服薬コンプライアンスを予測する(Heart Failure 2019, Abstract P1186)
孤独な心不全患者は治療勧告に従う確率が最も低い [2019-06-04]
Lonely patients with heart failure least likely to follow treatment recommendations

塩分および水分制限、毎日の体重測定、さらに身体活動に関するアドバイスに従う心不全患者は10% に満たず、患者がアドバイスを取り入れるか否かを予測する最も重要な因子は孤独である、とHeart Failure 2019 で発表された。これらすべての生活習慣に関するアドバイスを取り入れたのは、10人に1人もいなかった。女性は男性に比べコンプライアンス率が低く、65歳超の患者は若年患者に比べスコアが低かった。多変量解析の結果、孤独、併存疾患の多さ、および身体制限の多い心不全が、これら4つの勧告に対するノンコンプライアンスの独立した予測因子であった。

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