◆体外受精による妊娠は妊娠中の致命的な心疾患と関連がある (Heart Failure 2019, Abstract P489)
心不全症状は不妊治療を受けた女性の周産期心筋症の警告徴候である可能性がある、とHeart Failure 2019 で発表された。
心不全症状は不妊治療後の周産期心筋症の警告徴候である可能性がある [2019-05-28]
Heart failure symptoms could be warning sign of peripartum cardiomyopathy following fertility treatment
心不全症状は不妊治療を受けた女性の周産期心筋症(PPCM)の警告徴候である可能性がある、とHeart Failure 2019 で発表された。このスタディでは、PPCM のリスクは不妊治療を受けた女性において5倍高いことを示している。心不全症状と正常妊娠による違和感を区別することは困難であることから、息切れ、下肢浮腫および夜間頻尿が良性のものではない可能性があることを、患者には知らせておくべきである。筆者らは、人工的に妊娠した女性全員に対し、PPCM を除外するための心エコーなど心臓の検査をすることを推奨している。
心不全患者に対する腸管検査 (Heart Failure 2019, Abstract 790)
慢性心不全患者における腸内細菌叢の生物多様性減少は食物繊維の摂取量減少と関連がある [2019-05-28]
Reduced biodiversity of microbes in patients with chronic heart failure is related to low fiber intake

食物繊維をより多く摂取する心不全患者は腸内細菌がより健康的な傾向にあり、死亡リスクまたは心臓移植の必要性が低いことと関連がある、とHeart Failure 2019 で発表された。心不全患者は健常人コントロールに比べ腸内細菌叢の生物多様性が低く、ヒト腸管内に存在する主な2門:Firmicutes/Bacteroidetes(F/B)に差があった。この差は、心不全の原因が非虚血性であるほどより顕著であった。心臓移植を受けたかまたは死亡した患者は、生物多様性が低く、F/B 比がコントロールに比べ低かった。細菌叢の多様性およびFirmicutes 門レベルは、食物繊維摂取量と正の相関関係にあった。

腫瘍遺伝学に基づく有効な治療の可能性(2019 ASCO Annual Meeting, Abstract 10009)
特異的な遺伝子融合を有するCNSおよびその他のがんの小児患者において、entrectinibは有効性を発揮する [2019-05-28]
Entrectinib produces responses in pediatric patients with CNS and other cancers that have specific gene fusions

稀な中枢神経系腫瘍である神経芽腫、またはその他の固形がんを有する小児および若年者29人を対象とした第I/IB相試験において、entrectinib は特異的な遺伝子融合を有する患者において有効性を発揮した。治療が奏功したSTARTRK-NG トライアルにおける患者12人はNTRK1/2/3ROS1、またはALK 融合遺伝子(11人)、またはALK 遺伝子変異(1人)を有していた。奏効までの期間中央値は57日であり、全ての奏効は用量が400 mg/m2以上の時に認めた。この結果は、腫瘍のタイプや部位ではなく、腫瘍の遺伝子に基づき有効な、初めての治療の可能性を示している。この試験は近く開催される2019 ASCO Annual Meeting で発表される。

胃食道がんにおいて低用量化学療法は有益である(2019 ASCO Annual Meeting, Abstract 4006)
低用量化学療法は、胃食道がんの高齢およびフレイル状態にある患者において有効である [2019-05-28]
Low-dose chemotherapy regimen effective in older and frail patients with gastroesophageal cancer

進行胃食道がんを有する、高齢およびフレイル状態にある患者514人を対象とした第III相GO2 ランダム化トライアルの結果、オキサリプラチンおよびカペシタビンの試験的最低用量が、疾患増悪の遅延および抗がん剤の副作用最小化に関して、最高用量と同等であることが示された。患者らは3つの用量に割り付けられた。2つの薬剤の最低用量を投与された患者は、高用量の患者に比べ薬剤に対する毒性反応が少なく、Overall Treatment Utility のアウトカムが良好であった。全生存率および無増悪生存期間は、用量にかかわらず同等であった。この試験は近く開催される2019 ASCO Annual Meeting で発表される。

パズルを解くことは後年の頭のさえに繋がる
クロスワードや数字のパズルを日常的に行うことは、後年の認知機能が良好なことにつながる [2019-05-28]
Regular crossword and number puzzles linked to better cognitive function in later life

言葉や数字のパズルを日常的に行っている高齢者は注意力、論理的思考および記憶力を評価する課題の成績が良好である、と2つの関連する論文が International Journal of Geriatric Psychiatry に掲載された。研究者らはPROSPECT 試験の対象者に、ワードや数字のパズルに取り組んでいる頻度を報告すること、および一連の認知機能検査を受けることを依頼した。その結果、ワードパズルに取り組んでいる人々は、文法上の論理的思考を評価する検査で脳機能が実年齢より10歳若く、短期記憶を評価する検査では8歳若いと測定された。

自閉症における脳変化は特定の種類の細胞起源である
ヒト脳研究により遺伝子活性における変化と自閉症の重症度とが関連付けられた [2019-05-28]
Study of human brains links changes in gene activity to severity of autism

特定の脳細胞における遺伝子活性の変化が、自閉症の小児および若年患者の自閉症重症度と関連がある、との死後脳組織研究の結果がScience に掲載された。100,000超の細胞核の解析の結果、自閉症患者の脳は、ニューロン間のシナプスコミュニケーションに関係する、遺伝子の一連の共通変化を有していることが明らかにされた。これらの遺伝子の多くは、脳全体において広く発現していることが知られているが、これらは自閉症患者の脳においてのみ変化している。遺伝子発現の変化の程度は、患者の行動症状重症度と密接に関連していた。

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