Journal of Biological Chemistry に掲載された論文において、2つの主要な栄養源を断つことによりトリプルネガティブ乳がん(TNBC)細胞の増殖を遅延させる治療戦略が述べられている。研究者らは、がんの栄養源としてよく知られているグルタミンに加え、TNBC細胞が増殖および生存のために脂肪酸を必要としていることを示した。グルタミンと脂肪酸両方の代謝阻害剤を同時に用いると、TNBCの増殖および転移は遅延した。両方阻害することで、どちらかを阻害するよりも、治療抵抗性TNBC細胞の増殖および転移を遅延させたことから、この2つの物質の阻害が重要であることが証明された。これらの結果は、患者にとってよりよい薬剤選択へのガイドとなり得る新たな遺伝子マーカーを提供する。
小児および若年者において、肥満は親の精神疾患や社会経済的状況などの従来のリスクファクターとは独立して、不安症やうつ病を発症するリスクが高いことと関連がある、との新たな研究結果がEuropean Congress on Obesity で発表された。このスウェーデンの全国的なスタディの結果、肥満の女子は一般人口の同胞に比べ、不安症またはうつ病を発症するリスクが43% 高いことが示された。同様に、肥満の男子は比較対照に比べ、不安症やうつ病を発症するリスクが33% 高かった。さらなる解析において、精神神経疾患または不安症やうつ病の家族歴を有する小児を除いた結果、リスクはさらに上昇した。
高齢者の身体の健康に対し怒りは悲しみよりも有害であり、心疾患、関節炎およびがんなどの慢性疾患と関連のある炎症を増加させる可能性がある、と Psychology and Aging に掲載された。80歳以上の高齢者において、日常的に怒りを感じていることは炎症レベルが高いことや慢性疾患と関連があったが、それより若年の年長者ではそうではなかった。悲しみは炎症または慢性疾患とは関連がなかった。教育や治療が、高齢者の感情を調整しあるいは避けられない加齢変化に折り合いをつけるためのよりよい対処法を提供することで、怒りを軽減することに役立つ可能性がある、と筆者らは述べている。