◆アルツハイマー病様脳障害が定義された
アルツハイマー病の症状に似た脳障害が、この疾患の研究を前進させるための推奨診断基準およびガイドラインとともに定義された。
"超高齢者"は新たに名付けられた認知症への経路の最大のリスクである [2019-05-14]
'Oldest old' are at greatest risk of newly named pathway to dementia
アルツハイマー病の症状に似た脳障害が、この疾患の研究を前進させる推奨診断基準およびガイドラインとともに定義された。研究者らは、Brain に掲載された論文において、この新たに命名された認知症への経路、大脳辺縁系優位型老年期TDP-43 脳症、つまりLATE について説明した。LATE の症状はアルツハイマー型認知症に似ているが、これはプラークやタングルにより引き起こされるものではない。この疾患では、TDP タンパク質がミスフォールドし細胞内の正常な場所から移動する。85歳超の高齢者の約25% が、記憶および/または思考能力に影響するほどのミスフォールドしたTDP-43 を有している。
運動は心不全患者の記憶力を改善する可能性がある(EuroHeartCare 2019, Abstract 217)
心不全患者において運動耐容能の改善は認知機能障害も改善する可能性がある [2019-05-14]
Improving exercise capacity may also improve cognitive impairment in patients with heart failure

より健康度が高く、若年かつ高学歴の心不全患者ほど認知機能障害を有する確率が低い、とEuroHeartCare 2019 で発表された。このスタディは、6か国の心不全患者605人(平均年齢67歳、男性71%)を組み入れたHF-Wiiスタディのデータを用いた。認知機能の評価にはMontreal Cognitive Assessment (MoCA) が用いられ、運動耐容能は6分間歩行試験で測定された。6分間歩行試験でより長い距離を歩行した心不全患者は、より若年かつ高学歴であり、認知機能障害を有する確率が有意に低かった。

意思決定支援システムは不要な心臓の検査を防ぐ (International Conference on Nuclear Cardiology and Cardiac CT [ICNC], Abstract 34)
人工知能は安定した胸痛を有する患者の不要な診断的検査を防ぐ [2019-05-14]
Artificial intelligence could prevent unneeded diagnostic tests in patients with stable chest pain

人工知能(AI)は安定した胸痛を有する患者の不要な診断的検査を防ぐ、と ICNC 2019 で発表された。ARTICA と呼ばれるこのAI意思決定支援システムは、ESC ガイドラインに厳密に従っている。このスタディは、安定した胸痛を有する患者982人を組み入れた。研究者らは、どの検査を行うかの意思決定を循環器専門医とAI とで同じ日に比較した。ARTICA は67% の患者において更なる検査は必要ないと助言したが、一方で、循環器専門医におけるその割合は、わずか4.6% であった。CT血管造影検査の結果、ARTICA が検査不要とした患者の97% において有意な冠動脈疾患がなく、これは意思決定が正しかったことを意味する。

初めてのマラソンに向けたトレーニングは大動脈スティフネスを元に戻す (EuroCMR 2019, Abstract 201)
マラソン初心者のマラソンに向けたトレーニングは、大動脈スティフネスを元に戻し脳卒中リスクを低下させる [2019-05-14]
Training for a marathon reverses aortic stiffness and decreases stroke risk in novice runners

初回のマラソン完走に向けたトレーニングは大血管の加齢変化を"元に戻し"、高齢で走るのが遅いランナーが最も恩恵を被る、と EuroCMR 2019 で発表された。スタディには21〜69歳の健常なマラソン初心者139人が含まれた。6か月間トレーニングを受けマラソンを完走した初心者は、血管年齢が4歳若返り、収縮期血圧が4 mmHg 低下した。これは薬物療法の効果に匹敵し、もし維持されれば生涯脳卒中リスクの約10% の低下に換算される。

新たな人工知能ツールは将来の乳がんリスクを予測する
ディープラーニングを用いることで、より正確な乳がんリスク予測モデルが作成される [2019-05-14]
Researchers use deep learning to create more accurate breast cancer risk prediction models

進化した人工知能を用いて女性の将来の乳がんリスクを予測する新たなツールが開発された、とRadiology に掲載された。このディープラーニングモデルにより、乳腺濃度を用いてリスクを因子化する現在の臨床基準であるTyrer-Cuzickモデルに比べ、大幅にリスクの識別能が改善された。ハイブリッドディープラーニングモデルを乳腺濃度と比較したところ、研究者らは非高濃度乳腺でモデル評価が高リスク患者は、高濃度乳腺でモデル評価が低リスク患者に比べ、がんリスクが3.9倍高かった。このアドバンテージは他のサブグループでも保持された。

食道がんのステージ分類およびリスク予測の向上
新たなノモグラムを用いたリスク層別化により、食道がん患者により適切な治療が提供できる [2019-05-14]
Risk-stratification with new nomogram could improve delivery of appropriate therapy to patients with esophageal cancer

リンパ節転移陽性食道がん患者における外科的切除前の術前補助療法は有益であるが、現在の臨床ステージ分類技術における限界は、リンパ節転移がしばしば術前に検出されていないことである。転移リスクを評価する新たなノモグラムがAmerican Association for Thoracic Surgery's 99th Annual Meeting で初公開され、特にステージT2患者においてリスク層別化がより正確になることが期待されている。研究チームは National Cancer Database を用いて、3,000人超の患者を解析した。組織学、リンパ管浸潤、臨床的腫瘍ステージ、グレード、およびサイズなどの容易に得られる臨床的変数を用いることで、このノモグラムは外科的に切除可能な食道がんにおける潜在性リンパ節転移の確率を予測することができる。

DOLについて - 利用規約 -  会員規約 - 著作権 - サイトポリシー - 免責条項 - お問い合わせ

Copyright 2000-2025 by HESCO International, Ltd.