◆ステント留置後の患者においてDAPTを中止することにより予後が改善する (ACC 2019, Abstract 19-LB-19719[STOPDAPT-2] and 19-LB-20276[SMART-CHOICE])
ステント留置1か月後にアスピリン服用を中止したがP2Y12 阻害薬クロピドグレル服用を継続した患者は、併用投与を続けた患者に比べ1年後の予後が有意に良好であった。
STOPDAPT-2:より短期間のDAPT後にP2Y12阻害薬単剤療法を継続することにより1年後の予後が改善する [2019-04-02]
STOPDAPT-2: Shorter DAPT followed by P2Y12 inhibitor monotherapy improves outcomes at one year
ステント留置1か月後にアスピリン服用を中止したがP2Y12 阻害薬クロピドグレル服用を継続した患者は、併用投与を続けた患者に比べ1年後の予後が有意に良好であった、とAmerican College of Cardiology's 68th Annual Scientific Session で発表された。STOPDAPT-2 トライアルでは、アスピリンの早期中止はトライアルの主要評価項目(心血管死、心筋梗塞、ステント血栓症、脳卒中および大出血の複合)の観点から優れていることが示された。また、アスピリン中止により、出血は減少し虚血性イベントは増加しなかった。もう1つのトライアルSMART-CHOICEにおいて、ステント留置後3か月後にアスピリンを中止しP2Y12 阻害薬服用を継続した患者においても、同様の結果が得られた。
PCIにおける橈骨動脈アプローチと大腿動脈アプローチとは生存率に関しては同等である(Abstract 19-LB-20218)
SAFARI-STEMI:インターベンション医はPCIに対し橈骨動脈および大腿動脈アプローチを用いるが、予後は同等である [2019-04-02]
SAFARI-STEMI: Interventionalists use radial and femoral access for PCI with similar outcomes

ST上昇型心筋梗塞(STEMI)を呈する患者における経皮的冠動脈インターベンションは、橈骨動脈または大腿動脈いずれのアプローチでも安全に施行することができる、とAmerican College of Cardiology's 68th Annual Scientific Session で発表された。早期終了されたこのスタディは、橈骨動脈および大腿動脈アプローチは30日死亡リスクの点で同等であることを示唆した。STEMI再発、ステント血栓症および出血性合併症など、その他の転帰は2群間で有意差がなかった。

心内膜炎に対する抗菌薬の経口投与への切り替えは失敗ではない(Abstract 19-LB-20241)
POET:感染性心内膜炎において部分的経口抗菌薬治療は安全かつ有効である [2019-04-02]
POET: Partial oral antibiotic therapy safe and effective in infectious endocarditis

静注抗菌薬治療から経口抗菌薬治療に切り替えられた心内膜炎患者は、従来の静注抗菌薬治療を継続された患者に比べ、長期生存率が良好であり合併症が少なかった、とAmerican College of Cardiology's 68th Annual Scientific Session で発表され、同時にNew England Journal of Medicine に掲載された。追跡期間中央値3.5年後、主要評価項目イベントを来したのは部分的経口治療を受けた患者では26.4% であり、静注治療群では38.2% で、統計学的に有意な差があった。今回のトライアルでは、一定の細菌種により引き起こされた左心系感染性心内膜炎患者のみが組み入れられた。

進行した心不全において新たなLVADは転帰をより良好にする(Abstract 19-LB-20223)
MOMENTUM-3:最大規模のLVADトライアルの結果、最新世代のデバイスの臨床的有意性が示された [2019-04-02]
MOMENTUM-3: Largest LVAD trial demonstrates the clinical superiority of the newest generation device

進行した心不全で、新型の左心補助人工心臓(LVAD)を装着された患者は、旧型で既存の心臓ポンプを使用された患者に比べ、2年後の脳卒中、ポンプ血栓症および出血エピソードが有意に少なかった、とAmerican College of Cardiology's 68th Annual Scientific Session で発表され、New England Journal of Medicine に掲載された。2年後、主要エンドポイント(後遺症を伴う脳卒中、または再装着あるいは装置の不具合による除去がないこと)に達したのはHeartMate 3 を装着された患者の74.7% であり、HeartMate II を装着された患者では60.6%であった。リスクは40% 低下した。

高純度オメガ3製剤は心血管イベントを著明に減少させる(Abstract 19-LB-19844)
REDUCE-IT:心血管系リスクの高い人々に対し、イコサペント酸エチルはこれまで報告されていたよりも保護効果が高い可能性がある [2019-04-02]
REDUCE-IT: Icosapent ethyl may be more protective than previously reported for people at high cardiovascular risk

高用量のイコサペント酸エチル(オメガ3脂肪酸の処方薬)を服用することで、スタチンを内服していても心血管リスクの高い人々において初回、再発および全ての虚血性イベントが有意に低下する、とAmerican College of Cardiology's 68th Annual Scientific Session で発表され、同時にJournal of the American College of Cardiology に掲載された。プラセボに比べ、イコサペント酸エチルにより初回およびその後の心血管死、非致死性MI、脳卒中、冠動脈インターベンション、または不安定狭心症による入院が30% 減少し、この薬剤が過去に報告されていたよりも保護効果が高い可能性があることが示された。

閉鎖不全を有する弁の修復はQOLを改善する(Abstract 19-LB-20344)
COAPT:経カテーテル僧帽弁修復は心不全および2次性僧帽弁閉鎖不全を有する患者のQOLを改善する [2019-04-02]
COAPT: Transcatheter mitral valve repair improves quality of life for patients with heart failure and secondary mitral regurgitation

心不全及び2次性僧帽弁閉鎖不全を有する患者は、経カテーテル僧帽弁置換術(TMVR)施行後に体調がよく心不全症状が減少したと報告した、とAmerican College of Cardiology's 68th Annual Scientific Session で発表され、Journal of the American College of Cardiology に掲載された。トライアル開始時、参加者のQOL 評価スコアは100点中52点であり、QOL は比較的低いことを示していた。1か月後、TMVR を施行された患者は、標準治療を受けた患者に比べ、スコアが16点改善した。2年後、TMVR 群のスコアは標準治療群のスコアに比べ13点高かった。

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