◆転移性前立腺がんにおいて新たな取り組みにより高い奏効率が得られた(2019 ASCO Genitourinary Cancer Symposium, Abstract 228)
標準治療を行ったにもかかわらず進行したPSMA陽性転移性去勢抵抗性前立腺がん男性を対象にしたスタディの結果、Lutetium-177 PSMA-617と呼ばれる新たな標的放射線療法がこのがんに奏効することが2019 ASCO Genitourinary Cancers Symposium で示された。
放射線ラベルPSMA標的治療は転移性前立腺がん男性において高い奏効率を示す [2019-02-19]
Radiolabeled PSMA-targeted treatment provides high response rates for men with metastatic prostate cancer
標準治療を行ったにもかかわらず進行したPSMA陽性転移性去勢抵抗性前立腺がん男性を対象にしたスタディの結果、Lutetium-177 PSMA-617と呼ばれる新たな標的放射線療法がこのがんに奏効することが2019 ASCO Genitourinary Cancers Symposium で示された。登録に先立ち、50〜87歳の男性は中央期間2.6か月後にPSAレベルが急速に倍になった。薬物療法を受けていた男性は治療後期間中央値13.3か月生存し、この病期の平均生存期間9か月よりも長かった。今回のスタディにおいて、PSAが50% 以上低下した男性は50人中32人であった。
転移性腎細胞がんに対する治療の進歩(2019 ASCO Genitourinary Cancer Symposium, Abstract 543)
KEYNOTE-426:ペムブロリズマブとアキシチニブの併用は進行腎がんの生存期間を延長する [2019-02-19]
KEYNOTE-426: Pembrolizumab plus axitinib extends survival for advanced kidney cancer

第III相KEYNOTE-426試験の結果、PD-1標的免疫療法ペムブロリズマブとVEGF標的チロシンキナーゼ阻害薬アキシチニブの併用によるファーストライン治療は、転移性の淡明細胞型腎細胞がん患者の全生存期間および無増悪生存期間を延長することが示された。併用療法はスニチニブに比べ、死亡リスクを47% 減少させた(HR 0.53);12か月の全生存率は併用群で89.9%、スニチニブ群で78.3% であった。併用群では増悪なく生存した期間中央値は15.1か月であり、スニチニブ群では11.1か月であった。これらの結果は2019 ASCO Genitourinary Cancers Symposium で発表された。

新たな技術は心血管リスクを正確に評価する
高リスク型性感染症ヒトパピローマウイルスは心血管疾患リスクを上昇させる [2019-02-19]
High-risk sexually transmitted HPV virus associated with increased cardiovascular disease risk

がんと関連があるとされる高リスク型ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染は、特に肥満または他の心血管リスクファクターを有する女性において心血管疾患リスクを上昇させる可能性がある、と Circulation Research に掲載された。他のリスクファクターで補正した結果、高リスク型HPVを有する女性は、非感染女性に比べ心血管疾患を発症する確率が22% 高かった。肥満女性は心血管疾患を発症する確率が3分の2近く高く、メタボリック症候群と高リスク型HPV感染を合併した者は、心血管疾患を発症する確率が2倍近く高かった。

心疾患リスクファクターとしてのHPVをよりよく理解する
乾癬治療薬は皮膚症状を有する患者における心疾患を予防する可能性がある [2019-02-12]
Psoriasis medication may prevent heart disease in patients with the skin condition

重症乾癬の治療に用いられる抗炎症性生物学的製剤は、皮膚症状を有する患者における心疾患を予防する可能性がある、とCardiovascular Research に掲載された。生物学的製剤による治療を1年間受けた重症乾癬患者は、しばしば心筋梗塞の原因となる総石灰化冠動脈プラークおよび非石灰化冠動脈プラーク負荷が8% 低下した(低用量スタチンと同等の効果)。生物学的製剤使用患者においては、冠動脈プラーク構造も改善し、リスクの低いものになった。生物学的製剤非使用患者においては、冠動脈プラーク負荷が2% 増加した。これらの結果から、乾癬を治療することは冠動脈疾患に有益である可能性が示唆される。

運動がアルツハイマー病を予防する機序
運動中に分泌されるホルモンは記憶力を改善し認知機能低下を予防するようである [2019-02-19]
Hormone released during physical activity appears to improve memory and protect against cognitive decline

運動によりイリシンというホルモンが産生され、それが記憶力を改善しアルツハイマー病を予防する可能性がある、とNature Medicine に掲載された。この研究により、運動中に血中に放出されるイリシンが、学習や記憶において重要な領域である脳の海馬における神経細胞を増殖させる可能性があることが示された。脳バンクの組織検体を用いて、研究者らはイリシンがヒトの海馬に存在し、このホルモンの海馬におけるレベルがアルツハイマー病患者において低下していることを明らかにした。健康なマウスにおいてイリシンが無効であると、シナプスおよび記憶能が弱まる。同様に、脳内のイリシンレベルを押し上げることにより、脳の健康尺度が改善した。

教育はこれまで考えられていたようには認知症を予防しない可能性がある
スタディの結果、教育の認知症に対する予防効果を示した過去の研究が否定される [2019-02-19]
Study contradicts previous research that showed protective effect of education against dementia

過去のスタディの結果、高レベルの学歴を有することはある程度認知症から脳を防御することが示唆され、認知症を減らす"認知予備能"を提供していることが示唆された。しかし結果は様々であり、Neurology® オンライン版に掲載された新たなスタディの結果、教育は認知症が発症する時期や進行速度には影響しないことが示された。高レベルの学歴を有することと、正式な教育が終了して数十年が経過したスタディ開始時に、思考力や記憶力が優れていることとには相関が認められた。しかし高学歴と認知機能低下が遅いことには相関がなかった。

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