乾癬を治療することは冠動脈疾患に対して有益である可能性がある
重症乾癬の治療に用いられる抗炎症性生物学的製剤は、皮膚症状を有する患者における心疾患を予防する可能性がある、とCardiovascular Research に掲載された。
乾癬治療薬は皮膚症状を有する患者における心疾患を予防する可能性がある [2019-02-12]
Psoriasis medication may prevent heart disease in patients with the skin condition
重症乾癬の治療に用いられる抗炎症性生物学的製剤は、皮膚症状を有する患者における心疾患を予防する可能性がある、とCardiovascular Research に掲載された。生物学的製剤による治療を1年間受けた重症乾癬患者は、しばしば心筋梗塞の原因となる総石灰化冠動脈プラークおよび非石灰化冠動脈プラーク負荷が8% 低下した(低用量スタチンと同等の効果)。生物学的製剤使用患者においては、冠動脈プラーク構造も改善し、リスクの低いものになった。生物学的製剤非使用患者においては、冠動脈プラーク負荷が2% 増加した。これらの結果から、乾癬を治療することは冠動脈疾患に有益である可能性が示唆される。
退院時にオピオイドを処方された心疾患患者はしばしば経過不良である
退院時にオピオイドを処方された心疾患患者はフォローアップ治療を受けない確率が高い [2019-02-12]
Cardiac patients prescribed opioids at hospital discharge more likely to miss follow-up care

退院時にオピオイドを処方された心疾患患者は、これを処方されなかった患者に比べ、担当の医療提供者によるフォローアップや心臓リハビリテーションに参加する確率が低かった、とJournal of the American Heart Association に掲載された。研究者らは患者2,495人を解析したところ、20% の患者が退院時にオピオイドを処方されていた。オピオイドを処方された患者は、退院後30日間に、医療提供者によるフォローアップや心臓リハビリテーションに参加する確率が低かった。また、90日以内に救急外来を訪れたり、再入院または死亡する確率がやや高かった。

異なる化学療法の心血管系リスクにおける重要な違い
異なるアントラサイクリン系薬剤への曝露による長期心血管系リスクは様々である [2019-02-12]
Exposure to different anthracyclines results in variable long-term cardiovascular risk

がん長期生存者28,000人超の予後研究により、異なるアントラサイクリン系薬剤への曝露による長期心血管系リスクは様々であることが示された、とJAMA Oncology に掲載された。抗がん剤ダウノルビシンは、ドキソルビシンに比べ心筋症リスクが低かった。他の抗がん剤であるミトキサントロンは、これまで推定されていたよりも長期心筋症リスクが大であるようであった。将来的には、がん長期生存者の心血管系合併症をスクリーニングしたり最新の治療法を開発したりする際に、これらの差異を考慮することが重要となるであろう、と筆者らは述べている。

テレビを見ることは大腸がんリスクと関連がある
座りながらテレビを観て長時間を費やすことと大腸がんリスクが高いことに関連が認められた [2019-02-12]
Connection found between prolonged time spent sitting while watching TV and increased risk of colorectal cancer

JNCI Cancer Spectrum に掲載された新たなスタディの結果、50歳前に大腸がんと診断された患者において、座りながらテレビを観て長時間を費やすことと大腸がんリスク上昇とに関連が認められた。1日1時間超のテレビ視聴により、それより少ない視聴時間の者に比べ、リスクが12% 上昇した。この結果は、テレビを1日2時間超視聴する者においてより顕著であり、リスクは70% 近く上昇した。この相関はBMIや運動とは独立しており、大腸がん家族歴を有しない女性においても一貫して認められた。

高齢者における運動は血流を変化させ脳機能に有益である
運動は認知症発症を遅らせるような脳血流への影響を及ぼす可能性がある [2019-02-12]
Exercise can impact blood flow to the brain in a way that postpones the onset of dementia

高齢者において運動は脳血流を変化させ認知機能を向上させるが、一般的に考えられているのとは異なる機序によるものかもしれない。Journal of Alzheimer's Disease に掲載された新たなスタディの結果、軽度認知障害(MCI)と診断され脳の重要な領域の血流が低下している成人群において、運動が脳機能改善と関連のあることが示された。特に、MCI患者のうち左島皮質および左前帯状皮質の脳血流が減少している者は、記憶能や認知上の健康状態を計測するのに用いられる、単語完成課題の成績向上と強力に相関した。

アルツハイマー病における認知機能低下の新たな原因
血液凝固タンパク質が脳内記憶保存領域を破壊し認知機能低下に繋がる [2019-02-12]
Blood clotting protein destroys memory storage sites in brain resulting in cognitive decline

フィブリノゲンが脳内のニューロン間の結合を破壊し得る分子および細胞の一連のイベント、および認知機能低下の原因であることが発見された、とNeuron に掲載された。研究者らは最先端の画像技術を用いて、マウスおよびアルツハイマー病患者から得たヒトの脳を調査した。彼らはまた、初めての三次元容積画像を作成し、アルツハイマー病において血液脳関門漏出が起こっていることも示した。フィブリノゲンが血液から脳内へ漏出した後に、フィブリノゲンが脳の免疫細胞を活性化し、ニューロン間の重要なシナプスを破壊させるきっかけとなっていることも明らかにした。

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