前立腺がん治療のガイドとなり得るバイオマーカー
針生検により診断された低リスク前立腺がんにおける遺伝子変異から、前立腺内によりリスクの高いがんが内在している男性を同定することができる、とMayo Clinic Proceedings に掲載された。
低リスク前立腺がんと診断された患者の一部において、中および高リスク前立腺がんと関連のある遺伝子変異が認められた [2019-01-22]
Genetic alterations associated with intermediate- and high-risk prostate cancer found in some patients diagnosed with low-risk disease
針生検により診断された低リスク前立腺がんにおける遺伝子変異から、前立腺内によりリスクの高いがんが内在している男性を同定することができる、とMayo Clinic Proceedings に掲載された。このスタディでは、針生検が、低リスク前立腺がんの一部の症例においても存在し、中〜高リスク前立腺がんと関連のある遺伝子変異を見逃し、疾患の増悪リスクを上昇させている可能性があることを明らかにした。筆者らは、Gleason パターン3のがんと診断された男性においては、Gleason パターン4および5において高頻度に変異のみられる遺伝子の追加検査が有益である可能性がある、と述べている。
個別化治療は腎がん患者に有益である
早期腎がん患者に対する個別化治療計画が平均余命を延長させる可能性がある [2019-01-22]
Personalized treatment plans may extend life expectancy for patients with early-stage kidney cancer

腎疾患増悪のリスクファクターを有する早期腎細胞がん患者に対する個別化治療計画が平均余命を延長させる可能性がある、とRadiology に掲載された。研究者らは、コンピュータベースのシミュレーションを構築し、異なる治療法の影響を評価した。100万のシミュレーションに基づくと、正常腎機能の全年齢患者において、腎部分切除により最長の平均余命がもたらされた。しかし慢性腎臓病患者においては、積極的サーベイランスのような個別化治療の方がルーチンの腎切除術よりも平均余命を延長した。またこのモデルにより、MRI を用いた乳頭状腎細胞がん予測が一部の患者を積極的サーベイランスへと導くことにより、長期のヘルスアウトカムが改善する可能性があることも明らかにされた。

PTSDは心疾患およびがんのリスクに影響する
未治療のPTSDは外傷性イベントのタイプに関係なく心血管疾患の有病率を上昇させる [2019-01-22]
Untreated PTSD associated with higher prevalence of cardiovascular disease regardless of traumatic event type

心的外傷後ストレス障害(PTSD)は、メタボリック症候群同様、心血管疾患およびがんとも関連する、とJournal of Neuroscience Research に掲載された。PTSD と診断された84人(テロの被害者39人、その他の外傷性イベントの被害者45人)を対象とした今回のスタディにおいて、男性は循環器系および代謝系の合併症を有する確率が高く、一方、女性は良性および悪性腫瘍の有病率が高かった。PTSD の期間が長いことは心血管疾患発症と関連があり、テロ襲撃後のPTSD はがん有病率が高いことと関連があった。

個人的な収入の変動が大きいことは心疾患リスクを上昇させる可能性がある
収入が顕著に低下した若年成人は心血管疾患リスクが2倍近い [2019-01-22]
Young adults with significant drops in income had nearly double the risk of cardiovascular disease

若年成人期の突然の予測不可能な個人収入の低下は、心疾患および/または総死亡のリスクが高いことと関連がある、とCirculation に掲載された。研究者らは、スタディ開始時に米国内の4つの異なる都市に住む23〜35歳の3,937人のデータを解析した。個人収入の変動が最大であると、個人収入の変動がより少ない同等の群に比べ、追跡期間10年の死亡リスクは倍近くであり、心筋梗塞、脳卒中、心不全などの心血管疾患または死亡のリスクは倍以上であった。

バルプロ酸ナトリウムへの曝露は小児ADHDリスクを上昇させる
胎児期の抗てんかん薬への曝露は小児のADHDリスクを上昇させる [2019-01-22]
Prenatal exposure to antiepileptic drug increases risk of ADHD in children

胎児期の抗てんかん薬バルプロ酸ナトリウムへの曝露は小児の注意欠如・多動性障害(ADHD)のリスクを上昇させる、とJAMA Network Open に掲載された。デンマークの小児913,000人超がこの観察研究に組み入れられた。合計で580人の小児が妊娠中にバルプロ酸ナトリウムに曝露されていた(妊娠中に母親が薬物療法として1回以上の処方を受けていたことで定義)ことが明らかにされた。このうち、8.4% がADHD を有していたのに対し、バルプロ酸ナトリウムに曝露されなかった小児におけるADHD の割合は3.2% であった。このスタディで使用されたその他の抗てんかん薬とADHD には、関連がなかった。

統合失調症関連障害を有する人々の脳は全てが同じではない
脳機能と社会的行動との関連は従来の診断カテゴリーとは関連しない [2019-01-22]
Relationship between brain function and social behavior not related to conventional diagnostic categories

American Journal of Psychiatry に掲載された新たな多施設脳画像スタディの結果、社会的交流能力を反映する課題である、顔で感情を装う際の脳の使い方が、サブグループで異なることが示された。興味深いことに、統合失調症を有する者は精神疾患を有さない者と社会的脳機能は分類上異なっていなかったが、異なるタイプの治療に反応する可能性のある他のサブグループに分類された。今回のスタディにおいて、脳機能と社会的行動との関連はDSM-5 (Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders) における従来の診断カテゴリーと何も関係がなかった。これらの結果は、メンタルヘルスにおける多くの一般的な研究法に対する疑問を投げかけている。

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