DOL AHA2002 学会速報






 
 


Plenary Session IV:
再灌流療法の最前線
Frontiers in Revascularization

付加的薬物併用療法:何が有効で、何が必要?

Adjunctive Pharmacotherapy: What's Nice, What's Necessary?
Armstrong博士は、アスピリンやβ遮断薬などの確立された薬剤よりむしろ新しい治療法に注目した。すなわち抗トロンビン/抗血小板治療戦略と抗炎症戦略について議論した。また同様に再灌流手技に伴う細胞障害と炎症をともに減少させる多剤併用療法についても議論した。さらにアデノシンや補体阻害薬など新しい薬剤付きのステントでST上昇を認める患者を治療する際に将来役立つかもしれない薬剤についても言及した。要約すると、博士は「薬剤侵襲性」療法の観点を主張した。その中では、侵襲的な再灌流手技の成功率を改善するため異なる種類の薬剤が必須の役割を担う。


Plenary Session VII:
最新の臨床試験
Late-Breaking Clinical Trials

SAPPHIRE:血管内膜切除術に対するリスクが高い患者のステント留置と血管形成による保護

SAPPHIRE: Stenting and Angioplasty with Protection in Patients at High Risk for Endarterectomy
Yadav博士は、ステント留置による頸部血管形成と血管内膜切除術による塞栓予防を比較した「血管内膜切除術に対するリスクが高い患者のステント留置と血管形成による保護(SAPPHIRE試験)」で得られた結果から報告した。無作為に抽出したこれらのハイリスク患者307人の間では、30日目までの観察では、ステント留置による頸部血管形成術により塞栓保護を行った群が明らかに、脳卒中、心筋梗塞、死亡のリスクが低かった。最終結果は1年間の観察の後、出されることになっている。

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