DOL AHA2002 学会速報






 
 


カルシウムシグナリングと収縮タンパク
Calcium Signaling and Cardial Contractile Proteins

カルベジロールはラット心筋細胞においてβ遮断作用とは独立した機序によって、酸化ストレスによって引き起こされる心筋小胞体Ca2+-ATPase遺伝子の発現低下を抑制する

Carvedilol Effectively Blocks the Oxidative Stress-Mediated Downregulation of Sarcomeric Reticulum Ca2+-ATPase Gene Expression Independent of Its Beta Blocking Activity in Neonatal Rat Cardiac Myocytes
虚血、圧負荷、あるいは容量負荷は心筋に対して酸化ストレスを与え、心臓のポンプ機能を低下させる。小板橋博士らは、カルベジロールが酸化ストレスによるCa2+-ATPase(SERCA2)遺伝子の転写活性の低下を抑制することを見出した。この効果はカルベジロールの代謝産物で、β遮断作用をもたないものでも認められることから、β遮断作用とは独立した、カルベジロールの抗酸化作用によるものであろうと結論した。

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