シスプラチンと5-フルオロウラシルによる寛解導入療法にドセタキセルを追加することにより進行頭頸部がんの生存率が有意に改善するとのphase
IIIスタディの結果がAmerican Society of Clinical Oncology学会で発表された。この国際トライアルではstage 3または4の扁平上皮がん患者538人を2つの導入療法群に無作為に割り付けた。両群の原発腫瘍部位およびstageは一致させた。導入療法を3クール施行後、連続療法の次のステップとしてすべての患者がカルボプラチンおよび放射線療法を受けた。一部の患者は化学放射線療法後に手術を施行された。平均フォローアップ期間は41.9ヵ月であった。治験群の3年全生存率は62.1%であったのに対しコントロール群では48.1%であった。後発の副作用の多くは放射線療法によるものであった。
Temsirolimusはインターフェロンαを用いた標準的なファーストライン療法およびtemsirolimusとインターフェロンαの併用療法と比較し、ハイリスクの進行腎細胞がん患者の生存率を改善する、とのphase
IIIスタディの結果がAmerican Society of Clinical Oncology学会で発表された。この国際スタディでは、進行性および転移性の患者計626人をインターフェロンα、またはtemsirolimus、またはこれらの併用(temsirolimusは低用量)の3群に無作為に割り付けた。全生存期間の中央値はインターフェロン群で7.3ヵ月、temsirolimus群で10.9ヵ月、併用群で8.4ヵ月であった。無増悪生存期間はインターフェロン群で1.9ヵ月、temsirolimus群で3.7ヵ月、併用群で3.7ヵ月であった。(Abstract:
LBA4)
多発性骨髄腫の高齢患者に対する治療として、メルファランとプレドニゾンにサリドマイドを追加することにより、標準的化学療法や幹細胞移植よりも生存率が改善する、とAmerican
Society of Clinical Oncology学会で発表された。あるフランスのスタディにおいて65〜75歳の患者196人を標準的化学療法群に、125人を標準的化学療法+サリドマイド群に、126人をメルファラン投与後自家幹細胞移植群に、無作為に割り付けた。中間フォローアップ期間37ヵ月の後、研究者らは、サリドマイドにより無増悪生存期間が有意に延長したことを見出した:サリドマイド併用群27.6ヵ月に対し、標準的化学療法群17.1ヵ月、移植群19.4ヵ月であった。全生存期間中央値も延長した:サリドマイド群53.6ヵ月、標準的化学療法群32.2ヵ月、移植群38.6ヵ月。副作用発現率はサリドマイド群でより多く認められた。これらの結果をもとに標準的化学療法を受けていた患者の治療にサリドマイドが追加され始めた。(Abstract:
1)
化学療法による貧血患者に対する80,000単位のエポエチンアルファ隔週投与は、現在の標準的投与法である40,000単位の毎週投与と比べ同様のヘモグロビンの改善度が認められる、とAmerican
Society of Clinical Oncology学会で発表された。患者計310人(ほとんどが大腸がん、乳がん、または肺がん患者で彼らの約50%がプラチナ製剤を用いた化学療法を施行されていた)を二つの投与群に無作為に割り付けた。ベースラインでのヘモグロビンは全患者で11g/dLを上回ることはなかった。スタディ開始から12週後の終了時までの平均のヘモグロビン上昇は、80,000単位隔週群で1.6g/dL、40,000単位毎週群で1.8
g/dLであった。さらに、スタディ29日目からスタディ終了までに輸血が必要であった患者は隔週投与群で9.6%であったのに対し毎週投与群では11.1%であった。(Abstract:
8624)
2つの細胞増殖因子を標的としたZD6474は、他剤との併用または単独使用で、プラチナ製剤を基本とした化学療法が奏功しなかった進行非小細胞肺がんの治療に有望である、とAmerican
Society of Clinical Oncology学会で発表された。あるトライアルでドセタキセルを投与されている患者127人を100または300mgのZD6474またはプラセボを追加する群に無作為に割り付けた。その結果、プラセボでは無増悪生存期間中央値が12週間であったが、100mg
ZD6474投与では19週間 に、300mg投与では17週間に延長した。他のトライアルでは、化学療法が奏功しなかった患者168人に対するZD6474 300mg
とゲフィチニブ250mg単独投与の効果を比較した。その結果、ZD6474は無増悪生存期間を有意に延長した(ZD6474平均11.9週間、ゲフィチニブ平均8.1週間)。この試験のもう一方の試験では患者は薬剤を変更することができた。その結果、疾患が8週間以上コントロールできた者の割合はZD6474に変更した患者で43%、ゲフィニチブに変更した患者では24%であった。ZD6474の国際トライアルphase
IIIの登録が開始された。(Abstracts: 7016 and 7000)
胃がんに対するファーストライン治療としてのカペシタビン/シスプラチン療法は、少なくとも5-フルオロウラシル/シスプラチンと同等に有効であり全奏功率はより高かった、とのphase
III最終データがAmerican Society of Clinical Oncology学会で発表された。韓国が指揮したあるトライアルで、未治療の進行または転移性胃がん患者を2つの治療群に無作為に割り付けた。その結果、カペシタビン群の無増悪生存率は5-フルオウラシル群のそれと同等であり(中央値5.6ヵ月対5ヵ月)、生存期間も少なくとも同等であった(10.5ヵ月対9.3ヵ月)。カペシタビン群の全奏功率は5-フルオウラシル/シスプラチンの標準的治療よりも高かった(41%対29%)。さらに、カペシタビン療法により患者の病院滞在時間が80%減少した(3週間中1日対5日)。安全性、副作用による治療脱落率、60日間の総死亡率、および治療に基づく死亡率は両群間で差がなかった。(Abstract:
LBA4018)