Dunton博士らは白金製剤感受性再発卵巣がんに対する毎週投与法の有効性と副作用を評価した。
Jefferson Oncology Groupの研究者らは多施設共同第U相試験として白金製剤感受性再発卵巣がん20症例を登録した。weekly
パクリタキセル(TXL:80 mg/m2) と weekly カルボプラチン(CBDCA:AUC=2)からなる試験レジメンの有効性を臨床効果判定法、画像診断、Restin
criteriaによるCA-125腫瘍マーカー判定を用いて評価した。
対象症例は白金製剤に感受性であること(無治療期間 [treatment-free interval]
が6ヵ月以上であることが定義)と前治療のレジメンが1つであること、そして臨床的あるいは画像診断にて測定可能病変を有するか、またはCA125
が 70 以上であることが条件であった。除外症例の基準としては、PS (performance status)が不良な症例、IC(informed
consent)の説明が難しい症例、TXLかCBDCAに対して過去にアレルギー反応がみられた症例であった。抗腫瘍効果の評価は8サイクル後に行われた。
Dunton博士はこの研究の結果をポスターセッションで報告した。対象症例の平均platinum-free
intervalは20.9ヵ月(範囲8−56ヵ月)であった。そして平均13.4サイクルのweekly TXL+CBDCAの治療を受けた。
得られた成績は、weekly TXL+CBDCAのレジメンは第二次治療(second-line
therapy)として非常に有効であることを示唆した。20症例のうち17例は臨床的に評価可能であり、CR9例、PR5例で、NC3例で奏効率は82%であった。
臨床評価およびRestin Criteriaによる奏効率
Criteria |
N
|
Complete
Response |
Partial
Response |
%
Response Rate (patients) |
Stable
Disease |
Progressive*
Disease |
Clinical |
17 |
9 |
5 |
82%
(14) |
3 |
- |
Restin
(CA-125) |
18 |
14 |
4 |
100%
(18) |
- |
- |
|
腫瘍マーカーCA-125で評価可能であった18例では、Restin Criteriaによる奏効率は100%だった。この内訳はCR14例、PR4例であった。非進行生存期間(progression
free survival)の中央値は11.2ヵ月 (範囲2−24ヵ月)であった。
副作用は軽度であり、グレード3の好中球減少は20%の症例(4/20)に認められた。グレード2の神経毒性は10%の症例(2/20)に認められ、グレード3の貧血は5%の症例(1/20)に認められた。わずかに15%の症例にアレルギー反応がみられた。
Weekly TXL+CBDCAは白金製剤感受性再発卵巣がんに対して非常に有効なレジメンであるとDunton博士は結論している。また忍容性にも優れたことより、weeklyの投与法は有効性を向上し副作用を軽減させるかもしれない。以上より、将来的にはこの種のレジメンを第一次治療として考慮すべきである。
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