Dr. Cocconiらのグループは、PELF療法とFAMTX療法の効果を比較検討した。76歳未満の転移性胃癌の適格例195症例に対し、各々6サイクル施行した。PELF療法では、シスプラチン40mg/m3を第1日目と第5日目に、エピルビシン30mg/m3を第1日目、第5日目に投与し、l-ロイコボリン100mg/m3を第1日目から第4日目までボーラス投与、5-フルオロウラシル300mg/m3を第1日目から第4日目までボーラスで投与し、以上を3週毎に反復した。
FAMTX療法では、メトトレキサート1500mg/m3を第1日目にshort iv infusion、5-フルオロウラシル1500mg/m3を第1日目にボーラス投与、アドリアマイシン30mg/m3を第15日目に投与し、以上を4週毎に反復した。適格195例は全例、抗腫瘍効果の面で評価可能であった。著効(CR)率と奏効率(CR+PR)は、PELF療法とFAMTX療法でそれぞれ、13%対2%(P=0.003)と39%対22%(P=0.009)であり、PELF療法が有意に優れた。しかし、進行までの期間(TTP)、奏効期間、生存期間の中央値は、PELF療法とFAMTX療法でそれぞれ5.9ヵ月対3.5ヵ月(P=0.34)、8.8ヵ月対8.1ヵ月(P=0.94)、7.7ヵ月対6.9ヵ月(P=0.19)であり、両群間に有意差は認められなかった。12ヵ月生存率、24ヵ月生存率は、PELF療法で良好であった(30.8%対22.4%、15.7%対9.5%)。