デイホスピタルで治療される精神分裂病患者のQOL
Quality of Life for Patients with Schizophrenia Treated in Day Hospitals
Francois C. Petitjean M.D.
Department of Psychiatry, Hospital Ste. Anne,
Paris, France, Presenter

デイホスピタルと外来クリニックで治療中の、全員がICD-10で精神分裂病と診断された60人の分裂病患者で評価された。両グループは年齢のマッチングを行なったが外来のみの患者に比べ、デイホスピタルで治療されている患者のほうがより重症であった。フランス版ランカシャーQOLプロフィールは以下の尺度と比較された:全般評価尺度(Global Assessment Scale)、臨床全般印象尺度(Clinical Global Impression Scale)、陽性陰性症状評価尺度(Positive and Negative Syndrome Scale)と日常態度調査(Daily Attitude Inventory)。

結果は、主観的および客観的なQOLに関しては2群間に差があった。デイホスピタルで治療されている患者に比べ、外来クリニックのみの患者は仕事、生活や全体にわたるwell beingに満足していた。症候学のレベルと患者の満足度との間には相関がみられた。これは生活状態、社会および家族関係、健康やwell beingの領域において明らかであった。主観的なQOLと客観的なQOLとの間には相関はみられなかった。

臨床全般印象尺度(Clinical Global Impression Scale)と陽性陰性症状評価尺度(Positive and Negative Syndrome Scale)による全般的な症候学のレベルの評価と比較し、フランス版ランカシャーQOLプロフィールは地域特異的に全般的なQOLを正確に測ることができ、精神分裂病患者のQOLを評価するために使用され得ることを示した。


レポーター:Andrea R. Gwosdow, Ph.D.
日本語翻訳・監修:東邦大学医学部精神神経科教授 菅原道哉
 


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