Rush博士はテキサス薬物アルゴリズムプロジェクトを実践する際に生じる問題点について論じた。これらの問題点を管理上、臨床上、手順及び考え方に分類し、それぞれの問題に対する解決策を示唆した。例えば、医師に時間的な制約がある場合、医師の役割を看護者やケースワーカーなど他のスタッフ業務に移行し、彼らの助力を得るよう取り組むことや、薬物療法のアルゴリズムに熟知していない医師に対する電話でのスーパーバイズなどである。
またRush博士はテキサス薬物アルゴリズムプロジェクトについて、以下のように述べている。これは薬物療法的な記載をチェックリスト形式に単純化したものだが、これを用いて医師の役割を超えた幅広いバリエーションに実践的に対応できる。チェックリストは以下のテキサス薬物アルゴリズムプロジェクトのサイトで入手できる。
http://www.mhmr.state.tx.us/centraloffice/medicaldirector/tmap.html
また博士は治療を継続して受ける患者が少ないことを強調した。患者は薬物療法や他の治療法について誤解や知識不足があるために病気と治療の双方に誤った認識をしてしまう。そこでテキサス薬物アルゴリズムプロジェクトではパンフレットやビデオ、週毎の症状と副作用のモニターを通じて患者とその家族に障害についてトレーニングしていく。この情報もウェブサイトで入手できる。
Rush博士はアルゴリズムを実践する際には、簡単な方が成功しやすいと述べている。博士は、治療と経過観察に必要な情報だけを含んだ、一定の基本的なチェックリストを勧めている。さらにテキサス薬物療法アルゴリズムは、統一された治療チャートを医師に供給できると報告している。Rush博士はこのシステムでアルゴリズムを実践し成功している。このアルゴリズムは現在テキサス州全体で実践されている。アルゴリズムの情報は全てウェブサイトで入手できる。
このアルゴリズムは臨床医と患者が治療法を決定するのを助けるように設計されている、とRush博士は指摘している。その薬物の選択が適当か、投薬量と服薬期間が適切か、アルゴリズムの各段階で患者が最善の利益を得ているかは決定できない。アルゴリズムをよく知らない臨床医はこれらの質問に対して電話相談を通じて解答を得られる、と博士は言明している。
Rush博士は、臨床に取り入れるためにこのアルゴリズムを実践するトレーニングを受けることを勧めている。