Introduction


ESH President
Prof. Anthony Heagerty
ESH プレジデントとしての任期を終えて

第15回欧州高血圧学会でProf. HeagertyはESHのプレジデントとしての任期を終え、Prof. Kjeldsenにプレジデント職をバトンタッチしました。会議に先立ってこの1年を振り返っていただきました。



ESH Chairperson
Prof. Giuseppe Mancia
メッセージ

今年の会議は、全世界から6,500余名の参加者を迎え、大成功を収めたことを大変うれしく思います。ヨーロッパ諸国だけでなく、全世界からクオリティーの高い多くの演題発表が行われました。




演題ハイライト



Prof. Stevo Julius,
Univ. of Michigan,
USA
VALUE
VALUE試験単剤投与


VALUE試験開始6ヵ月後にバルサルタンまたはアムロジピン単剤投与7,080例を解析。バルサルタン群は心不全と新規糖尿病発症予防効果においてアムロジピン群に優っていた。




Dr. Sverre Kjeldsen,
Ullevaal Univ. Hospital,
Norway
Pre-Specified Analysis
VALUE:バルサルタンはアムロジピンと比較して、ハイリスク高血圧患者における新規糖尿病発症を抑制する

バルサルタン群の新規発症580例(11.5%)に対して、アムロジピン群では718例(14.5%)であった(p=0.0001)。1人の患者を救うための必要治療件数(NNT)は33人であった。




Prof. Philip Poole-Wilson
Imperial College,
UK
Subgroup Analysis
Actionサブ解析:ニフェジピンGITSは冠動脈疾患を有する高血圧患者において、より有益である

ベースライン時の血圧レベルが140/90mmHg以上群の方が140/90mmHg未満群に比べ、心血管イベント抑制効果が高い。




Dr. William Cushman,
VA Medical Center, Memphis,
USA
Clinical Trials
ALLHAT:アムロジピンの効果におけるリシノプリルとの差異

9,048人の患者をアムロジピン群(2.5~10mg)、9,054人の患者をリシノプリル群(10~40mg)に無作為に割り付けたALLHAT trialにおいて、アムロジピン群ではリシノプリル群と比較して、脳卒中、複合心血管疾患、消化管出血、狭心症、末梢血管疾患の発症が抑制された。




Dr. Henry Black,
Rush Univ. Medical Center,
Chicago, USA
Clinical Trials
ALLHAT(メタボリックシンドローム)

ALLHATのデータ解析によれば、メタボリックシンドロームの有無を問わず、アムロジピン群、リシノプリル群、クロルタリドン群の転帰は同様であった。




Dr. Michiel Bots,
University of Utrecht,
Netherlands
Clinical Trials
PERFECT

EUROPEサブ解析。ACE阻害薬ペリンドプリルは心不全を伴わない安定CADにおいて、36ヵ月後の内皮機能を改善する。






ESH 2005 Expertに聞く 

インタビュー内容を収録した冊子は、株式会社ヘスコインターナショナルより発行されます。

東京大学大学院医学系研究科内科学教授 
藤田敏郎

序文より:
本年6月イタリアのミラノにおいて欧州高血圧学会(European Society of Hypertension)ESH 2005が開催された。昨年、パリで行われたESH 2004において発表されたVALUE試験は、初めてのCa拮抗薬とARBのhead-to-headの試験として注目を浴び、その解釈をめぐって多くの話題を提供したことは記憶に新しいところである。特に、利尿薬などの併用薬の降圧や新規糖尿病発症への影響について議論された。今回、ESH 2005の3日目に試験実施統括責任者のミシガン大学Julius教授からVALUE試験参加患者のうち単剤投与群のみを対象としたサブ解析の結果が発表された。改めて、バルサルタンの優れた心不全発症抑制効果と新規糖尿病発症抑制効果が示された。そこで、発表直後にESH会長のミラノ大学Mancia教授、試験実施統括責任者のJulius教授、副責任者のウレヴォル病院Kjeldsen教授にインタビューした。
 
 
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